今回、筆者はCES取材で1月上旬にラスベガスに滞在していたのだが、街の中を「AT&T 4G LTE」のラッピング広告をまとったローカルバスが周回している様子を頻繁に見かけた。当初AT&TのLTEは、同本社のあるテキサス州3都市で昨秋にサービス展開がスタートしたばかりだが、これが対応エリアがラスベガスといった都市にも急拡大していることを示すのがこの広告の狙いだ。去年まではSprint (Clearwire)のWiMAXやVerizon WirelessのLTEがサービスの積極的な宣伝を行っていた場所であり、関係者も集まる格好のPRの場ということなのだろう。3Gよりも収容力の高いLTEの展開は携帯キャリアにとっても大きなメリットとなるため、
端末ラインナップの拡大と合わせ、なるべく早期でのエリア拡大を目指している。以前に筆者が「次世代iPhoneでのLTE対応」について言及しているが、これはキャリア側にとっての希望という側面が強い。特に帯域を圧迫する可能性の高い最大の人気端末であればなおさらだ。
なお、iPhoneに関してはもう1つ面白いことを発見した。筆者は米国でも海外でもAT&T版iPhone 4を常用しているのだが、この端末をAT&TのWi-Fiホットスポットに持っていったとき、必ず同ホットスポットにつながるようになっている。筆者は同スポットへの接続は過去に設定した記憶がないのだが、いつの間にかOSバージョンアップの過程で自動設定されていたようだ。しかも、この設定は削除できず、ホットスポットの圏外に入ると必ず接続される。Wi-Fi機能をオフにすれば接続はされないが、A-GPSが無効化されてしまうため、基本的に接続を回避することはできないようだ。ちなみにAT&Tのホットスポットは駅やホテル、空港などの公共の場所のほか、「Starbucks」で設置されているため、街中や公共の場にいればかなりの確率で自動接続される(iPhoneでテザリング使用中の場合は仕様の関係上接続されない)。ほかのキャリア(例えばau版やソフトバンク版)のiPhoneユーザーはこうした状況にはなっていないため、おそらくAT&T限定なのだろう。いつから設定されていたのかは不明だが、「ここまでやるのかAT&T!!」というのが筆者の率直な感想だ。