ゲームベンチは設定次第で高得点も

PCゲームで快適なフレームレートの目安は60fpsといわれている。この描画が可能ならば、ほぼすべての効果の恩恵を受けられ、迫力満点の世界観が展開できる。普通に遊ぶには問題ないレベルは30fps前後で、複雑に描かれた場面などでややフレーム落ちするぐらいなので、人によっては気にせずゲームの世界に没頭できるはず。それ以下のフレームレートの場合、感じ方は人それぞれ。いわゆる「カクカク」した感じになるのは10fps前後で、さすがにこうなってしまうと気になってゲームが楽しめなくなる。

フレームレートはゲームの基本デザインやゲーム画面の作り込みなどにより、最適なレートが変わる。自分の感覚で「よく動く」セッティングを決めていこう

ゲームベンチは、実際のゲーム(に近い)画面を使って、フレームレートを表示してくれるものがほとんどだ。単純にスコアが高い、低いといった使い方だけではなく、先ほど述べたフレームレート数を参考に、自分が快適に楽しめると思えるスコアを出すために必要なセッティングを出していくこともできる。

ちなみに低いフレームレートを上げていくのに最初にやることは解像度の変更。解像度が高ければそれだけPCに負担も掛かるので、一番手っ取り早い解決法だ。次に影などの効果をカットしていく。ゲームによってはリアリティが損なわれるが、見た目と快適さを考えながら、そうした効果をカットしていけばいい。

解像度や影、テクスチャなどの設定を変えつつ、目的のフレームレートになるようにセッティングするのがコツ

では、ゲームベンチを実行してみよう。まずは、「BIOHAZARD5ベンチマーク」だ。このベンチマークはDirectX 10にも対応しているので、そちらを使って採取してみた。解像度1,920×1,080ドットでは平均33.1fps、解像度を1,280×720まで落とすと平均52.1fpsまで向上する。このゲームなら問題なく快適に遊べるという結果だ。

「BIOHAZARD5ベンチマーク」、ベンチマークテストA、DirectX 10、解像度1,280×720

「BIOHAZARD5ベンチマーク」、ベンチマークテストA、DirectX 10、解像度1,920×1,080

次に最新のDirectX 11のベンチマークが採取できる「LOST PLANET2ベンチマーク」だ。こちらはDirectX 11にした場合の描写とDirectX 9では、見た目にもかなり違いがある。より美しい画面で楽しめるのはDirectX 11のほうだが、フレームレートが低めになってしまうため、ある程度の効果や解像度は落としてやる必要がある。この傾向は解像度を落としても同じなので、ゲームを楽しむにはDirectXのバージョンを9まで下げたほうが懸命だろう。

DirectX 11、解像度1,920×1,080でのフレームレートは平均12.1fpsと低め。これだとさすがに快適に遊ぶのは難しい

DirectX 11、解像度1,360×768、影品質ミドル、テクスチャ品質ミドルで再度チェック。平均18.2fpsまで改善したが、それでもちょっと苦しいか…

そこでDirectX 9、解像度1,360×768、影品質ミドル、テクスチャ品質ミドルにしてみると…平均32.5fpsまで上がった。これなら十分ゲームが楽しめる

続いて人気のオンラインゲーム、「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」を試してみよう。こちらは解像度を1,920×1,080に設定しても、画面の見た目上、非常にスムーズに動いている。スコアこそ「1978」とそれほど高くないが、ゲームのデザインが優れている証拠だ。解像度を1,360×768に落とすと、「3542」までスコアが改善した。ストレス無く遊ぶことができるレベルは3500以上といわれているので、1,360×768設定で楽しむのが理想だ。

解像度1,920×1,080を選択したときのスコア

解像度1,360×768を選択したときのスコア

「狩ってやるぜ!」と素直に感情移入できる快適セッティングでゲームを楽しもう

最後に「ファイナル・ファンタジーXIVベンチマーク」だが、Highモードでは「976」とスコアは低い。要求されるスペックが非常に高いので、残念ながら設定を変えたとしても快適に遊ぶにはいささか心許ないという結果だ。Lowモードにすると「1928」まで向上する。こちらはやや重さを感じるが、なんとか遊べるというレベルだが、ゲームが快適にというわけにはいかない。少し要求スペックが高いゲームなので、十分考えてから遊ぶようにしてほしい。

Highモードのベンチマーク結果

Lowモードのベンチマーク結果

負荷の高いゲームは苦手だが設定次第で快適に

世の中にはゲーミングマシンというジャンルが存在しているが、本機はそれとは違うことをまずお断りしておきたい。映画を見たり、動画編集をしたりというトータル的な使いやすさに特化しているので、ゲーム専用のスペックではないのだ。

しかし、セッティング次第で十分快適に動くゲームがあることはベンチマークの結果からもお分かりいただけると思う。実際のゲーム画面に関しては、人それぞれ感じ方も求めるものも違うが、たっぷり楽しめるゲームタイトルはかなりあるはず。

優れたデザインと、充実したエンターテインメント機能、さらに美しい画質を提供してくれる大画面ディスプレイが揃った「VAIO F」。休日にあれもやりたい、ゲームもしたい、という欲張りな人には最適のノートPCといえるだろう。