二つめのバックアップ機能が「ノンストップバックアップ」だ。文字どおり対象とするフォルダーの継続的なバックアップを実行する機能である。通常のバックアップとは異なり、ファイルやフォルダーといったデータの保護を目的とし、五分間隔でバックアップが実行される仕組みだ。もちろん変更がないのにバックアップを実行するのは無駄になるため、前回のバックアップから変更がなかった場合は、次回のスケジュールされたバックアップはスキップされる。
対象となるフォルダーはローカルディスクに制限されているため、外付けHDD上のファイルは対象外だが、パーティション単位のノンストップバックアップも選択でき、システムクラッシュ時のリカバリ作業が簡単になる。一見するとバックアップデータの肥大化が心配になるが、古いバックアップデータは日単位で統合され、最大30日まで保持されるので安心して欲しい(図25~29)。
なお、一カ月を過ぎたバックアップについては、一週間単位で統合され保存先に空きがある限り保存される。バックアップデータの削除が必要な場合にはノンストップ バックアップ ボックスの歯車アイコンをクリックして[処理]メニューを開き、[クリーンアップ]を選択。期間を選択するためのウィンドウが表示されるので、指定した期間内に作成されたバックアップ バージョンを削除できる。
五分おきにバックアップを実行するとなると、システムの負荷が気になるところだが、安全性と利便性はトレードオフの関係にあり、若干の負荷が発生する。もっとも、ほかの作業ができなくなるほど"重く"なる場面は少ないが、ノンストップバックアップの一時停止中に、大量の保護対象データが変更された場合、同機能が再稼働する際はバックアップ対象となるファイルを検出しなければならないため、CPUに負荷がかかることになる。その際はバックアップを終えるまで待つのが得策だ。
このほかにも、電子メールの送受信データや連絡先を対象にした電子メールバックアップや、Acronisオンラインストレージを用いたオンラインバックアップといった機能も用意されている。また、同期機能に関しては次回報告するので、興味のある方は是非ご覧頂きたい(図30~31)。