AndroidベースのKindle Fire

米Amazon.comは11月28日(現地時間)、感謝祭明けにスタートするホリデーシーズン商戦初日のブラックフライデー(Black Friday)におけるKindle販売台数が昨年同時期の4倍に上ったことを発表した。タブレットの「Kindle Fire」ならびに同時に発表されたKindle製品群も含め、数百万台規模の過去最高のセールスを記録したという。

Amazon.comではKindleの具体的な販売台数をこれまで公表しておらず、実際に各デバイスがどの程度販売されたのかを把握するのは難しい。だがKindle Fireが2カ月前に発表されて以降、同製品の予約受付のほか、Kindle Touchの販売がすでにスタートしており、今月25日のブラックフライデーを前にすでに数百万台規模のセールスを達成しているという。ブラックフライデーでの従来比4倍のセールス成績と合わせ、デバイスの普及が一気に加速した可能性がうかがえる。なお現在Amazon.comが扱っているKindle製品ラインは、79ドルの通常版Kindle、99ドルのKindle Touch、149ドルのKindle Touch 3G、199ドルのKindle Fireの4製品。これら製品はAmazon.comサイトでのオンラインセールスのほか、1万6000店の全米リテール店舗で直接購入が可能になっている。

このようにKindle販売が加速した理由の1つに、積極的な値下げ攻勢があるとみられる。100ドル未満のKindle製品群を筆頭に、199ドルのKindle Fireなど、コンテンツ販売で利益を稼ぐ赤字覚悟の値段設定は、他のライバルにとっても脅威だ。Amazon.comの製品発表以後、大手書店チェーンの米Barnes & Nobleが既存製品の値下げや249ドルの「NOOK Tablet」を発表し、さらにカナダのResearch In Motion (RIM)がタブレット製品「BlackBerry PlayBook」の199ドルでの実質的な値下げ販売を行うなど、同社がタブレットや電子ブックリーダーのプライスリーダー的存在となったことがうかがえる。タブレットではAppleのiPadが先行しているが、これら製品が台風の目となってタブレット市場の勢力図を書き換えていくことになるだろう。

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