特徴的な月面ロボットがいろいろ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、現在実施中の「月面ロボットチャレンジ」で開発された試作ロボットを出展していた。このコンテストについて、詳しくは以前の記事を参照して欲しいが、JAXAのブースには、このうち東北大学、愛知工科大学、千葉工業大学、大阪大学のロボットが展示されていた。
産業用ロボットの動向は?
産業用ロボットは、主に自動車メーカーが顧客となって、需要を牽引してきた。しかしこの先、自動車だけでは大幅な需要の伸びが期待できないことから、産業用ロボットのメーカー各社は、搬送や一般産業への普及を狙ったロボットを積極的に出展している。
安川電機は、パラレルリンク型の高速ハンドリングロボットや双腕ロボットなどを組み合わせた搬送工程のデモを紹介していた。ベルトコンベアで流れてくるお菓子をピックアップしてトレーに並べ、それを段ボールに入れ、封をして、パレットに積み上げるところまで、複数のロボットを連携させることで完全に自動化していた。
ファナックのブースで面白かったのは、総菜の具材をピックアップして、ベルトコンベアに並べるシステム。これは実際に食品加工メーカーに納入されているそうで、デモでは大根、玉子、椎茸など、様々な形のものを落とすことなく、うまくピックアップしていた。具材を持ったときに重さも量っており、規定以下の場合は除外することも可能だ。
川田工業は、双椀ロボットの「NEXTAGE」をアピール。ブースでは、NEXTAGEを3台並べて、連携させた作業のデモを行っていた。人間との共生もポイントの1つで、誰かが近くに来たときには作業を中断することもできていた。NEXTAGEは、電子部品の組み立て工程などによく売れているそうだ。
なんと2足歩行ロボットが自転車に!
多摩川精機のブースで見つけたのは、自転車に乗って走ることができるロボット。自転車ロボットというと「ムラタセイサク君」が有名だろうが、セイサク君がボディのホイールを回転させることでバランスを取っているのに対し、このロボットは人間と同じように、ハンドルの動きを微調整して転ばないように走っているのがポイントだ。
このロボットを開発したのはDr.Guero氏。会場のメインステージでは1日1回だけデモを行っているのだが、見損ねたのでYouTubeにアップされている動画を見て欲しい。
ロボットは近藤科学の2足歩行ロボット「KHR-3HV」を使用。ただしマイコンは自作ボードに換装して、傾きの検出に多摩川精機製のMEMSジャイロを使っているそうだ。転ばないような制御をしつつ、コントローラの操作によって、左右に曲がることもできる。Dr.Guero氏によれば、開発した目的は「知能というものに興味があって、技能から知能に迫りたいと思ったから」とのこと。