STMicroelectronicsは、同社子会社であるPortland Group(PGI)が提供するコンパイラとツールにAMDのBulldozerアーキテクチャを採用した次世代マイクロプロセッサのサポートを追加することを発表した。

Bulldozerアーキテクチャは、2種類の128bit命令、または128bit命令と256bit命令を同時に実行できる、Flex FPと呼ばれる柔軟性のある浮動小数点演算ユニットを使用しており、次世代サーバ向け16コアプロセッサ「Interlagos」(開発コード名)に内蔵される。

また、PGIは、同社のコンパイラをAMD社のBulldozerアーキテクチャに対応させるため、拡張FMA4命令セットなど、AMDのさまざまなAdvanced Vector Instructions(AVX)サポートの追加を進めており、すでに2011年5月からは、FMAを含むIntelのAVX命令セットもサポートしている。

PGIコンパイラの特長は「PGI Unified Binary技術」で、これを用いることで、AMDやIntelのマルチ・プロセッサに最適化されたコード・シーケンスを含む単一の実行可能ファイルを生成することができるようになるほか、独立系ソフトウェア・ベンダやカスタム・アプリケーション開発者がx64を単一プラットフォームとして扱いながら、プロセッサにおける最新のイノベーションの活用が可能になるため、柔軟性を最大化すると共に、個々のプロセッサに対する最適化が不要になる。

なお、すでにすべてのPGI製品で、AMDのBulldozerアーキテクチャがサポートされており、現行のPGIサブスクリプション・サービスのライセンスを有するカスタマは無料で利用することが可能となっている。対応OSはLinux、Apple Mac OS X、Microsoft Windows各種で、評価コピーは、PGIのWebサイトより入手することが可能となっている。