Freescale Semiconductorは、エネルギー管理ソリューションの「スマート化」に向け、電源やモータの効率改善を実現する次世代デジタル・シグナル・コントローラ(DSC)ポートフォリオの最初のファミリ製品「MC56F84xx」を発表した。同ファミリは、2011年第4四半期にサンプル出荷を開始する予定で、1万個購入時の1個あたりの参考価格は、2ドルとしている。

同ファミリは、高速アナログ機能に効率的な32ビットDSCコアを統合し、電源(デジタル電力変換)やモータ向けデジタル制御を行う製品で、データセンタのサーバに使われる電源など、ハイエンドのデジタル電源をターゲットにしている。

デジタル信号処理に最適化された100MHz/100MIPSの32ビットコアは、ハーバード型アーキテクチャによりサポートされるシングル・サイクル演算処理、小数演算サポート、ならびにパラレル・ムーブにより、高速制御ループを実現している。また、312psの分解能を備えた高分解能パルス幅変調(PWM)により、拡張温度範囲において高精度かつ安定した制御を実現。

さらに、最大3.3Mspsのサンプリングを行うPGA(プログラマブル・ゲイン・アンプ)を内蔵したデュアル12ビットA/Dコンバータ(ADC)により、リアルタイム制御性能を向上させ、効率的な設計を実現することが可能だ。

このほか、メモリ保護機能により、重要なモジュールへのアクセスを制限し、信頼性の高いソリューションを実現することが可能なほか、オンチップのコンパレータにより、システムの部品コストを削減し、設計を簡素化することができる。

加えて、64KBから256KBまで拡張可能なプログラマブルFlashメモリを搭載しているほか、FlexMemory EEPROM機能を搭載したことにより、頻繁なイベントの保存をサポートすることが可能となっている。