電源オフ時の省電力性も優秀

そのほかにぜひ紹介しておきたいのが、電源オフ時のバッテリ消費が極めて小さく抑えられていた点だ。ノートPCの機種によっては、満充電完了後にAC電源を抜くと、1週間も経たないうちに待機電力でバッテリを使い尽くしてしまう製品もあるが、試用機で試したところ、丸1日(24時間)経過してもバッテリの減りは1%前後だった。いざ外へ持っていこうとしたときにバッテリが空になっていて使えないといったトラブルに見舞われることなく、補充電をしなくてもいつでもアクティブに携帯できるだろう。

バッテリの持ち時間については用途によって大きく変化するので一概には評価できないが、「バランス」電源プランで画面の明るさを約50%に設定し、無線LANでWebブラウズやメールの送受信をしながらテキストエディタやOfficeソフトを使うデスクワークを行ったところ、STAMINAモードで6時間程度の連続使用が可能だった。無線LANをオフにして画面を暗くすればさらに長時間動作すると考えられるし、ゲームなど高負荷のソフトの使用時や、HDDモデルでは動作時間はこれより短くなるだろう。オプションの拡張バッテリは本体内蔵の標準バッテリと同容量なので、装着時の駆動時間は約2倍となる。

左側面は光学ドライブのみでシンプルな外観

右側面にはメモリーカードスロット、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 3.0×1、USB 2.0×2、有線LANなどを備える

正面から見たところ

キーボードの配列は標準的

ブルーレイディスクドライブ、DVDスーパーマルチドライブのいずれかを選択可能

指紋センサーは標準搭載

Exmor CMOSセンサー採用の131万画素Webカメラ

無線LAN、Bluetooth、モバイルWiMAXを標準搭載。さらにFOMA対応通信モジュールも追加できる

全モデルWiMAXに標準対応しており、オンラインでサービス契約し即日の開通が可能

SAシリーズの最小構成価格は129,800円だが、いわゆるCULVノートでなくあえてこの製品を選ぶユーザーの場合、おそらく上位のCPUやクアッドSSDを選択することになり、10万円台後半から20万円前後の構成でオーダーするケースが多いと考えられる。あくまで筆者の主観だが、細切れの時間に使うことも多いモバイルノートにおいて軽快な使用感を得るため、いまやSSDの選択は必須ではないだろうか。となると、SAシリーズの価格は昨今の13~14型ノートPCのメインストリームよりは高くなるが、最近まで高性能モバイルノートは20万円以上も当たり前という相場だったことを考えると、Core i7とクアッドSSDを搭載しても20万円以下に抑えられるSAシリーズには買い得感がある。

出先でも画像や動画の編集作業を"ガッツリ"行う必要がある、どこにいるときもオフィスと変わらないパフォーマンスで仕事をしたい、引っ越しや部屋の模様替えなどを機にPC環境を一新してコンパクトにまとめたい……VAIO SAシリーズの最適なユーザー層を具体的に考えるとこのようなイメージが浮かんでくるが、端的に表現するならば「1台で全部済ませられるワンランク上の高性能モバイル」、このようなPCを求めるユーザーのための製品と言うことができるだろう。