SDDとHDDの良いとこ取りができる「Intel Smart Response Technology」

最新チップセットを採用したマザーボードをプラットフォームに持つ製品だけに、その能力をフルに発揮したいと思うのは当たり前のことだ。特にZ68の目玉ともいえる「Intel Smart Response Technology」は、多くのユーザーが注目しているだろう。

この技術はSSDをストレージキャッシュとして活用することで、従来よりも高速にHDDを稼働させることを目的としている。大容量なHDDと、高速なSDDの相乗効果で、運用性を高くすることが期待できるのだ。

試用機にはMicron社製の「RealSSD C400 (64GB)」と、Western Digital社製の「WD1002FAEX (1TB)」が搭載されている。どちらもSTAT 6Gbpsをサポートしているので専用ポートに接続、BIOSでRAIDとして認識させ、Non-RAIDに設定して運用する。

HDDユニット格納トレーに搭載されたHDD(上)とSSD(下)

OSを起動すれば分かるが、マイコンピュータからSSDを認識することはできない。この技術は「Intel Rapid Storage Technology」アプリケーションで、コントロールすることになる。

アプリケーションを起動すると、マザーボードに接続されているストレージデバイスが表示される。キャッシュとして利用するSSDをクリックし、速度重視の「高速モード」かキャッシュを取りながら安全に運用する「拡張モード」のいずれかを選択すれば、実際にこの技術でストレージが稼働するようになる。

BIOSでSSDとHDDをRAIDユニットとしてで接続する。RAIDユーティリティーでは両者ともNon-RAIDにしておこう

Intel Smart Response Technologyは「Intel Rapid Storage Technology」アプリでコントロールする

管理ツールからもSSDは確認できない

データの安全性を確保しながら運用する「拡張モード」と速度重視の「高速モード」が選べる

設定が完了するとHDDにSSDがマウントされたイメージが表示される

実際にベンチマーク(CrystalDiskMark3.0.1 x64)を取ってみた結果、最大で実測約2.7倍のデータ読み込みスピードを実現した。正直、これほど劇的な効果が生まれるとは思っていなかったが、よく使うアプリケーションなどで試せば体感することは容易だろう。

Intel Smart Response Technology不使用時

「高速モード」での結果

「拡張モード」での結果

いくつかのテスト結果で書き込みスピードが落ちている部分もあるが、こちらは誤差の範囲といえなくもない。SSDを直接ストレージとして使えないもどかしさはあるものの、価格差を考えると、まだまだ「容量」という面ではHDDに遠く及ばないのが現実だ。「より大容量を高速に」そんなワガママなニーズに見事応えてくれるのは確かだ。いずれにしても、Z68を使う上でぜひ試して頂きたい機能といえる。