富士通は6月14日、センサーなどによる位置情報を活用したクラウドサービス「SPATIOWL(スペーシオウル)」を7月から提供開始すると発表した。

このサービスは、100以上の関数が用意されたJava APIによる基盤提供サービス(「SPATIOWL基盤提供サービス」)と、業務提供サービスの2種類に大別され、業務提供サービスには「プローブデータ活用サービス」「テレマティクスサービス」「都市情報管理サービス」の3つが含まれる。

「SPATIOWL」を活用したサービスのデモ(渋滞情報に混雑度を示す"メッシュ"を重ね合わせた状態)

7月のサービス提供開始時点で用意されるのは「SPATIOWL基盤提供サービス」と、「プローブデータ活用サービス」に分類される「交通情報データサービス」、「テレマティクスサービス」に分類される「商用車テレマティクスサービス」「音声処理サービス」の4つ。

「SPATIOWL」を活用したサービスのデモ(ブログやSNSなどの情報を重ね合わせた状態)

「SPATIOWL基盤提供サービス」(導入費用65万円/月額52万円~)では利用者管理やデータレイヤー管理、データ処理、トラフィック処理、運用管理といった各種分析・管理機能が提供される。「交通情報データサービス」(導入費用50万円/月額50万円~ 東京地区のみ)は都内のタクシー会社(東京無線共同組合)との連携によって実現されるサービスで、「商用車テレマティクスサービス」(費用は個別見積)はトランストロンとの協力により提供される。また「音声処理サービス」(導入費用50万円/月額45万円~)は、通常カーナビゲーションシステム(ハードウェア)側で実現される音声機能をクラウドサービスとして提供するもので、合成・認識・対話に必要とされる辞書管理の効率化などが図れるという。

今回発表されたサービスの主なターゲットはテレマティクスサービス事業者や交通情報サービス事業者、ナビメーカー、自動車メーカーとされているが、ほかに流通業者や地域情報サービス事業者、ディベロッパー、マーケティング・広告事業者、コンテンツプロバイダなどによる利用も想定されている。

交通情報のみならず、地域の新たな"価値"を創出することも同サービスの狙い

同サービスは同社のデータセンター「館林システムセンター」から提供され、当面は国内で展開されることとなるが、将来的には同社の海外データセンター拠点を利用し、海外展開も行われる見通し。