NGPは正式名称を「PlayStation Vita」に! 今秋登場

さて、イベント後半はいよいよお待ちかねのNGPに関するアナウンスメントだ。壇上にはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏が登場し、先ほどSCEAのTretton氏が触れた一連のハッキング事件について改めてコメントしている。その後、平井氏はPlayStation Suiteのプラットフォームが今後順次ロールアウトされていくことを説明した後、今年ポータブルデバイス戦略の中核となるNGPについての説明を開始した。

NGPの正式名称は「PlayStation Vita」とされ、この「Vita」はラテン語で「生活」を意味する言葉だ。ポータブルという性格上、この種のデバイスは日々の生活に密着したものとなる可能性が高く、ゲーム機としての役割だけでなく、動画などのエンタテインメントやメール、ソーシャルネットワークまで、さまざまなサービスに接続するためのハブになる可能性が高い。「PS Vita」にもこうした日々の活動をサポートする役割を想定した名前を与えたのだと考えられる。

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏が登場。ここからはPlayStation Suite戦略と「NGP」についての説明となる

NGPの正式名称は「PlayStation Vita」(PS Vita)に。Vitaとはラテン語で「生活」を意味する言葉だという(英語の「Vital」なども同じ語源)。より生活に密着し、それらを変革するハブとして機能することを目標にしているという

「PS Vita」の機能は多彩だ。まず従来のコントローラとボタンに加え、2本のアナログスティックが付けられ、マルチタッチに対応したディスプレイ、そして背面の指が触れるエリアもタッチ認識領域となっている。また加速度センサーとジャイロスコープを組み合わせた6軸モーションセンサー、電子コンパス、GPSといった各種センサーも搭載しており、リアルタイムでデバイスの位置や傾き、移動量などを計測可能となっている。

「PS Vita」の特徴その1: 2本のアナログスティック

特徴その2: マルチタッチ対応ディスプレイ

特徴その3: 本体背面のタッチ認識機構

特徴その4: 6軸モーションセンサーに電子コンパスとGPSを搭載

カメラ機能についてはリアとフロントの2ヶ所をカバーしており、風景や人物の撮影以外に、ビデオチャット用としての活用も可能。ネットワーク機能にはWi-Fiのみのバージョンに加え、3Gネットワークにも対応した計2つのバージョンが用意される。これら各種センサーやネットワーク接続機能を使って、さまざまなサービスやアプリケーションへの応用も可能だ。

特徴その5: フロントとリアの両面に搭載のカメラ

特徴その6: 3GとWi-Fiの2つのネットワークに対応(Wi-Fiオンリー版もあり)

提供時期は秋となっており、正確な発売日についてはアナウンスされていないが、おそらくホリデーシーズン直前の10~11月になるのではないかとみられる。価格はWi-Fi版が米国で249.99ドル、欧州で249ユーロ、日本で24,980円、Wi-Fi+3Gの両対応版が米国で299.99ドル、欧州で299ユーロ、日本で29,980円となっている。米国では3G版がAT&Tによる独占提供形態となっているが、料金プランや年契約縛り等の詳細は不明だ。後に日本や欧州での提供キャリアや料金プランなどと含め、詳細が発表されることになるという。

なお、AT&Tでは、同社がもつ米国内の2万4000カ所のWi-Fiホットスポットを「PS Vita」ユーザー向けに無料開放する予定とのことで、データ通信量に上限のあるAT&Tでの通信容量の節約や、オンラインゲームでのより高速な接続が可能になるとみられる。

3G搭載に合わせ、米国での独占提供携帯キャリアは米AT&Tとなる

ネットワークへの接続が主軸に据えられており、ソーシャル系サービスも利用できる

米国、欧州、日本での、Wi-Fi / Wi-Fi+3G版のそれぞれの提供価格。搭載機能の豊富さから考えれば非常に野心的な価格付けだと筆者は考える。ソフトウェアの販売とライセンス収入で回収するというゲーム機ならではの価格体系だが、これは初期の普及促進に貢献するか?

一通りの発表が終わるとステージ後方の幕が上がってショウスペースが出現。これまで紹介された数々の新作タイトルのほか、「PS Vita」のプレイアブルデモが体感できるスペースの用意されたショウスペース兼ミニゲームセンターだ。なお食事やパフォーマンス等の余興の用意されたパーティ会場でもある

PS Vita体験コーナーは開幕直後でもこの大行列。ブースの撮影は禁止なので、遠くからの望遠映像のみで勘弁いただきたい。実際に触った人たちによれば「非常にレスポンスがよく動きがスムーズ」とのこと。また「NGP」となっているのはご愛敬

なお、本体と共にお披露目されたいくつかのローンチタイトルの動画はこちらで確認してもらいたい。