インテルとアップルが共同開発し、次世代のデータ伝送技術として注目を集めているのが「Thunderbolt」だ。今年の2月に発売されたMacBook Pro全機種に初搭載され、USB 2.0の最大20倍という高速な転送速度で話題になった。

新しいiMac 27インチモデルには、そのThunderboltポートが2基搭載されている。現在のところThunderboltをサポートした周辺機器が国内ではほとんど登場していないため宝の持ち腐れという感じだが、ポート自体は従来のMini DisplayPortと互換性があるのでDisplayPortに対応した外部ディスプレイをつなげて利用することは可能だ。変換アダプタを使えば、DVIやHDMI接続のディスプレイをつなげて使うこともできる。

新iMac背面のインタフェース部分。Thunderbolt×2、USB2.0×4、FireWire 800×1、オーディオ出力×1、オーディオ入力×1が搭載されている。この写真でケーブルが接続されているのがThunderboltポートで、Mini DisplayPortケーブルで外部ディスプレイをつなげて利用することが可能。また別のThunderbolt対応Macを接続して、iMacを外部ディスプレイとして使用することもできる

本機に搭載されている液晶ディスプレイは、従来通り光沢感のある27インチのグレアパネル。広視野角で色再現性の高いIPS方式が採用されているので、斜めから見ても色の変移が少ないのが特徴。液晶の解像度は2,560×1,440ピクセルで、フルHDの動画編集も余裕で行える。

27インチの液晶ディスプレイ。液晶の解像度は2,560×1,440ピクセルと非常に高精細だ

IPSパネルのため視野角が広く、斜めから見ても色の変移が少ない。プロクリエイター向けのディスプレイ単体製品に迫る表示品位の高さが魅力的だ

液晶ディスプレイの上部には、従来のiSightカメラに代わってFaceTime HDカメラが搭載された。単に名前が変わっただけでなく、撮影できる映像の解像度も向上しており、最大1,280×720ピクセルのハイビジョン撮影が可能だ。

液晶ディスプレイの上側にはFaceTime HDカメラが内蔵されている。カメラの電源が入ると、カメラの横にあるグリーンのLEDが点灯する(写真右)

ビデオ通話アプリ「FaceTime」の画面。ビデオ映像の品質が前モデルに比べて大きく向上している

このカメラは、プリインストールされているビデオ通話アプリの「FaceTime」やプリクラ風のスナップ撮影アプリ「Photo Booth」などで利用することができる。実際に利用してみたが、映像の解像感は確実にアップしており、服の生地の質感や髪の毛のディティールまできれいに表現された。肌の粗なども結構見えてしまうため、「ビデオ通話の前に化粧を直したい」という女性も多いのでは。男性でも寝起きや疲れているときにこのカメラでビデオ通話するのは抵抗があるはず。次期FaceTimeには、ソフトフォーカスなどのエフェクトをリアルタイムでかけられる機能をぜひ搭載してもらいたいと思う。

プリクラ風のスナップ撮影アプリ「Photo Booth」の画面。ポップアート風など、さまざまなエフェクトをかけて写真や動画を撮影できる