東京・白金のアートオニオンギャラリーにて開催されたイベント「EDIT / real」の会場にて、"羽根のない扇風機"エアマルチプライアーや、ハンディクリーナー「DC34」など、ダイソンの商品が展示販売された。多くの来場者でにぎわった同イベントの模様をレポートする。

「EDIT / real」は東京・白金のアートオニオンギャラリーで開催された

人選から商品まで「自分の手が届く範囲」にこだわった

同イベントは、「自分の手が届く範囲の商品を売る」というルールの下、会場に日替わりでショップがオープンし、"日替わり店長"自身が接点を持つ商品を販売していく、という趣旨で開催された。「ギャラリーを借りてお店を出すことになったとき、『自分の手が届く範囲の商品を売る』にこだわり、普段の仕事や日常生活で使うものを無理なく販売していこう、と考えました」と、イベントを主宰した編集者・廣川淳哉氏は語る。

「EDIT / real」を主宰した廣川淳哉氏(写真右)と、「ほぼ日ハラマキ」ショップを出店した「ゆーないと」さん(同左)

廣川氏は、雑誌「日経デザイン」の編集・ライターをはじめ、「eneloop Store EDIT」編集長、「日産テクノロジーマガジン」副編集長を務めるなど、デザインやテクノロジーの分野に精通している。「EDIT / real」でショップを出した"日替わり店長"も、多くが取材などを通じて知り合い、廣川氏が自ら声をかけたという。こんなところにも、「自分の手が届く範囲」というこだわりが生かされていた。

ダイソン商品に「実物は初めて見た」と反響も

会場には、日替わりのショップのほかに常設販売のコーナーも。中でもひときわ目を引いたのがダイソンの商品だった。エアマルチプライアーのダイソンオンラインストア限定モデルや、ハンディクリーナー「DC34」のダイソンオンラインストア限定モデルが展示された。

ハンディクリーナー「DC34」のダイソンオンラインストア限定モデルと、ハンディクリーナー用のツールキットも展示。なお、ダイソンオンラインストアでは現在、同モデルとツールキットがセットになった特別パッケージも限定発売されている

エアマルチプライアーの周囲には子供たちが集まり、「本当に羽根がない!」「どうやって風が出てるの?」と興味津々の様子。廣川氏によれば、「実物は初めて見た」と言う人や、マゼンタ、シルバーといった斬新なカラーリングに驚く人も多かったという。

ダイソンの説明書に目を通す来場者も

分解されたハンディクリーナーも展示

廣川氏自身、個人的にダイソンの商品を使っているそうで、「ダイソンは"売れる価値"を持った商品であるところが素晴らしいと思います。価値を高めるために、見た目から機能、ブランドイメージに至るまで、あらゆる部分を"デザイン"していますし、『やっていることがブレない』というイメージがありますよね」と、すっかりお気に入りの様子だった。

ダイソンの日本法人のスタッフとも以前から面識があり、今年3月、イギリスのダイソン本社を取材するのに合わせて、「EDIT / real」での出店を依頼した。ちなみに現地での取材中、そのことが話題に上ると、本国スタッフも「面白いですね。ぜひ!」と喜んでくれたとか。

「ダイソンでは新入社員の研修として、バラバラの掃除機を組み立て、完成した掃除機を自宅に持ち帰って実際に使ってみる、というプログラムがあるそうですよ。そこから発展して、『(今回のイベントで)買った掃除機を、自分で組み立てて持って帰れるようにしたら?』という話題で本国のスタッフとも盛り上がりました」と廣川氏。この企画は実現しなかったものの、日本法人のスタッフと話し合い、常設販売という形でダイソン商品の展示が実現した。

ダイソンのほかに、三洋電機のエネループや二期倶楽部アートビオトープ那須、九谷焼作家の北村和義氏らによる常設販売も行われた

同イベントでは、デザイナーの柳原照弘氏や千原航氏らが"日替わり店長"を務めたほか、4月8日には青森県八戸市のセレクトショップ「kaneiri museum shop」も出店。「参加できるかどうかのメールを送ったのが3月11日の午前中で、その直後に東日本大震災が発生しました。でも後日、『こんな時期だからこそ、ぜひ出店したい』とメールをいただきました。うれしかったですね」と廣川氏は話していた。