低コスト、信頼性、短納期に高い評価

もっとも、こうした5つの分類は、業者側から見たものと言える。ユーザー側からすると気になるのは、購入する製品に保証がついているか、保証内容がどうなっているかなどだろう。購入したサーバが初期不良で交換するのは当然としても、企業として数年にわたって利用する以上は、交換、修理、保守などに対応していることは最低条件とも言える。

保証の有無で分けた場合、セカンダリー市場の製品は、大きく「メーカー認定品」、「業者認定品」、「動作保証品」、「ジャンク品」に分けられる。

メーカー認定品は、メーカーが自社の中古品を回収し再生作業を施したもので、先に説明したリユース、リファービッシュ品が含まれる。リフレッシュ、リマニュファクチャード(再生産)、リサーティファイド(再認定)などと呼ばれることもある。IBMやHPといったグローバルメーカーのほか、NEC、富士通などもこうした事業を手がけている。

業者認定品とは、再販業者やリース会社、保守会社がメーカーとは別の独自の保証を付けて販売しているもの。新古、NOB、リファービッシュ品などがこれに含まれる。保証期間が数年間にわたるケースもあり、メーカー保証が切れていても、新品とほぼ同等の品質と機能を利用し続けることが可能になる。

一方、動作保証品とジャンク品は、動作保証などの最低限の保証しかなかったり、まったく保証がないものだ。近年のIT機器の故障率は格段に減っているとはいえ、企業ユースでは、ホットプラグに対応したメモリやHDDの交換など"壊れることを前提としたシステム"だけに適用するといった工夫は必要になる。

また、ユーザー側からすると、セカンダリー市場を利用する場合に、具体的にどんなメリットがあるのかも気になる点だ。実は、セカンダリー市場には、コストが抑えられること、生産が停止した機器を調達できるといった中古市場における一般的な特徴のほかに、プライマリー市場(新品市場)では得にくい大きなメリットを持っている。それは、調達までのスピードが格段に早いということだ。

新しいサーバを調達する場合、プライマリー市場では、2週間~1カ月程度かかってしまうのが一般的だ。故障による障害発生時や新規事業の立ち上げ時などに、サーバ調達が間に合わないことで苦労された経験のあるシステム管理者は少なくないはず。一方、セカンダリー市場では、在庫があれば即日納品、在庫がない場合でも3日程度で調達できてしまうことが多い。このメリットは、すでにセカンダリー市場を活用している企業が高く評価する点となっている。