米Adobe Systemsは現在米フロリダ州オーランドで開催されているPhotoshop World Conferenceにおいて、iPad上で動作するPhotoshopのデモを紹介した。現在同社は「Photoshop Express」というアプリをApp Store上で無料(または3.99米ドル)で配布しているが、今回紹介されたアプリは複数レイヤによる編集や3Dアニメーションなど、Photoshop由来のより高度な機能を包含しており、さらにデスクトップ版Photoshopとの間で設定やカラーパレットなどの同期も可能になっている本格派だ。

イベントで行われたデモについてはApple Insiderなどが報じている。また、現地での写真や動画レポートはPhotography Bayの記事を参考にするといいだろう。現在iPad向けに提供されているPhotoshop Expressはプロモーション的意味合いが強いもので、本当にごく限られた写真修正のみが可能になっている。In-App Purchaseで「Camera Pack」と呼ばれるキットを導入することでノイズ除去などの機能が追加されるが、数あるフリーアプリなどと比べても特段優れた点はなく、Photoshopの名前を冠した別のソフトウェアといった印象がある。今回のデモストレーションを見る限りでは、こうしたExpress版とは異なる本当の意味でプロフェッショナルユーザーが望む機能が搭載されたPhotoshopに近いといえるだろう。

今回デモが披露されたアプリは、現時点でリリースまでのロードマップ等は不明。あくまでデモの一環として公開されたもののようだ。だが、画像処理業務に従事するプロフェッショナルユーザーのコンピュータ活用方法は多様化しつつあり、iPadのようなタブレット型デバイスもまたそうしたツールの1つとして利用が広まっていくだろう。