花粉飛散シーズンの真っただ中。1月末時点で環境省の発表によると、この春のスギ・ヒノキ科花粉の総飛散量は、例年に比べ、全国的に多いとの予測だ。また、スギ花粉の飛散開始時期は、関東から西では例年よりやや遅く、関東以西では3月上旬から中旬、東北では4月上旬がピークとなる見込みだ。
厚生省アレルギー総合研究事業研究報告によると、スギ花粉には、クリジェー1、クリジェー2と呼ばれる2種類のアレルゲンが含まれるとされている。また、クリジェー1はスギ花粉の表面に含まれ、クリジェー2は花粉内部の細胞質内に含まれているとされ、スギ花粉症患者の92.4%がその両方のアレルゲンに対してアレルギー反応を起こすことが報告されている。したがって、スギ花粉症の予防には、これら2種類のアレルゲンの分解・除去を行う必要があるのだ。
現在、花粉対策として、様々なタイプの空気清浄機が市場には出回っているが、そんな中、アレル物質の分解・除去機能では、ダイキンの空気清浄機は他とは異なる方式を採用している。
ダイキンの空気清浄機アレル物質の分解・除去は、「光速ストリーマ」と呼ばれる独自のストリーマ放電技術による。ストリーマ放電は、プラズマ放電の一種だが、三次元的に広範囲に発生した高速電子が空気中の酸素や窒素と衝突することで、一般的なプラズマ放電(グロー放電)と比べて1,000倍以上の酸化分解力を持つという。そのため、"イオン放出系"の空気清浄機が空気中にイオンを放出し、ウイルスや花粉など浮遊物質を帯電させて、表面のみ分解・除去するのに対して、ダイキンの空気清浄機は本体の内部で花粉に含まれるアレル物質を表面だけでなく、内部の芯まで徹底的に分解・除去ができるようだ。
そこで今回、ダイキンの空気清浄機・うるおい光クリエール「MCK75L」を実際に試してみた感想を以下にレポートしてみる。
まず適用床面積は、空気清浄28畳、加湿プレハブ17畳・木造10畳。サイズは、同等クラスの他社製品とはほとんど同じ大きさだ。ただし、フィルター類が前面にあるため、壁面に若干の隙間があれば設置できるので、思ったほどに場所を取らない。やや縦長で非常にすっきりしたデザインなので、実際に部屋に置いてみても、室内でそれほど存在感を感じない印象だ。
給水タンクの後方は、6層のフィルター類がセットされている。一番手前のプレフィルターでは、キャッチしたホコリから細菌やアレル物質を除去 |
プラズマイオン化部。ホコリや花粉を帯電させた後、静電集塵フィルターへ通す |
一方、前面のパネルを開くと、まずは加湿用の給水タンクがあり、その奥に各種フィルター・ユニット類が6階層でセットされている。フィルター類が6層あると言っても、それぞれ設置は簡単で、手入れのたびにさほど手間取ることはないだろう。むしろ、集塵された物質をきめ細やかにキャッチし、分類するといったあたりが、さすがは空気清浄メーカーの商品という感じだ。カタログ表記に準じれば、ディーゼル粉塵(DEP)やNOx、ベンゼン、クロロホルム等の排ガス系の有害化学物質といったものも除去が可能とのことで、種類だけ見ても分解・除去が可能な物質が他メーカーの製品よりも一歩秀でていると言える。
すべてのフィルター部の奥には、加湿構造が装備されている |
本体右側をスライドすると、加湿系の部品が引き出せる。手前の水トレーでストリーマ放射により除菌された水を後方の水車構造の加湿フィルターで必要に応じて保水する |
個人的に、さらに秀逸だと感じたのは、加湿機能だ。加湿フィルターが運転時のみに水をくみ上げ保水する水車方式が採用されており、直接水トレーに触れないようになっている。通常、加湿フィルターというのは、1ヶ月も清掃を行っていないと、雑菌が繁殖し、加湿時に悪臭を放つ原因となりやすい。特に加湿トレーにたまった水は悪臭のもと。これをこの製品では、さらに加湿フィルターと水トレーにストリーマを照射して、除菌。これにより、ぬめりやカビを防ぎ、清潔さが保てるのだ。空気清浄機の場合、常に電源を入れっぱなしにしている場合が多く、メンテナンスの手間ができるだけ省かれるというのも重要なポイント。
給水タンクは少し変わった形状だが、給水口に取り付ける付属のアタッチメントで、おおよその家庭のどんな洗面所でも問題なく給水できるはずだ。給水時以外はアタッチメントを給水タンクの隙間に格納しておけるのも気が利いている。
上面の操作パネルは、直観的で誰もが迷うことなく使えるはず。風量の切り替えが5段階で細かく設定できるうえ、「eco」ボタンをセットしておけば、風量を「しずか」「弱」の下から2段階のみで自動で調整するので、消費電力だけでなく、運転音も制御でき、就寝時などに助かる。
つい先日、15歳以下の子供のおよそ4割に花粉症の疑いがあるという製紙メーカーによる調査結果が発表されたばかり。大人のようにマスクをつけたり、器用に鼻をかんだりもできない小さい子どもが花粉症で苦しんでいる姿はなんとも辛いもの。空気清浄機の能力は目に見えて効果がわかるものではなかったり、万人に100%効果があるとは言い切れないものだが、使わないよりはものは試しと一度導入してみる価値はあるだろう。少なくとも、空気清浄機を居室に設置して数日経った段階で、家具や床にたまるほこりの量が減っていることには気が付くはず。大人よりも目線の低い子どもたちにとってはそれだけでも十分有効なツールと感じる。
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応募締切:2011年3月29日(火)
発表方法:2011年3月30日(水)、当選者発表ページにて発表させていただきます。