Webブラウザ時代にフィットしたIE9

Webブラウザの重要性が高まりつつある。インフラの安定化に伴うWebアプリケーションの増加により、Webブラウザは一種のプラットフォームと言える地位を占めるようになった。ここで求められるのが、スクリプトエンジンの高速化。もともとWindows XP時代に圧倒的なシェアを誇ったInternet Explorer 6は、XHTMLの未サポートやPNGの非完全対応など見劣りする部分が多く、後発のWebブラウザに後じんを拝するようになった。

その後、機能面やセキュリティの強化を施したInternet Explorer 7、標準規格やスクリプトエンジンの高速化を目指したInternet Explorer 8とリリースされてきたが、そのパフォーマンスはサードパーティ製Webブラウザに追いつけず、シェアの減少につながってしまったのは周知のとおりである。

このような背景を元に開発を進めたInternet Explorer 9は、同8で行われた標準規格への対応を強化し、HTMLレンダリングエンジンおよびスクリプトエンジンのパフォーマンス強化を目指している。その結果は、Web開発者向けに公開されてきたInternet Explorer 9 Platform Previewやベータ版に対するレポートで目にされたことだろう。

Windows OSの標準Webブラウザとして注目を集めるInternet Explorer 9だが、本誌でも既に報じられているように、2月11日には待望のInternet Explorer 9 RC(Release Candidate:リリース候補)版が公開された。文字どおり出荷直前の状態となるRC版では、ベータ版で発見された多くのバグを修正すると同時に、ユーザーインターフェースの一部変更が施されている。正式版がリリースされるまでには、いくつかの修正が加わると思われるが、一足先にInternet Explorer 9の利便性や機能向上ポイントなどを網羅的に検証してみよう(図01~02)。

図01 Internet Explorer 9ベータ版のバージョンは9.0.7930.16406だった

図02 Internet Explorer 9 RC版のバージョンは9.0.8080.16413だった

まずはInternet Explorer 9の入手だが、公式サイトから、32/64ビット版および各言語版の入手が可能だ。Webブラウザの使用言語によって自動的に日本語が選択されるため、ドロップダウンリストから32ビット版もしくは64ビット版を選択し、<今すぐダウンロード>ボタンをクリックすれば、お使いのWindows OSに対応するInternet Explorer 9 RC版をダウンロードできる(図03)。

図03 Internet Explorer 9 RC版のダウンロードサイト

なお、Internet Explorer 9ベータ版を試用中の方は、そのまま導入することも可能だが、安全性を踏まえると一度削除した方が良いだろう。具体的な手順だが、「プログラムと機能」のナビゲーションウィンドウにある<プログラムのアンインストール>から「Windows Internet Explorer 9」をダブルクリックして、アンインストーラーを起動。画面の指示に従ってコンピューターを再起動すれば、同ベータ版の削除が完了する(図04~05)

図04 <プログラムのアンインストール>から「Windows Internet Explorer 9」をダブルクリック。ダイアログの<はい>ボタンをクリックする

図05 アンインストールを終えると、コンピューターの再起動をうながされるので、<今すぐ再起動する>ボタンをクリックする

Internet Explorer 9 RC版の導入は、公式サイトからダウンロードした「IE9-Windows7-x86(x64)-jpn.exe」をダブルクリックして実行する。必要なコンポーネントの自動ダウンロードを終えると、インストーラーと衝突するアプリケーションの終了をうながしてくるので、<続行>ボタンをクリックして事前に閉じておこう。あとは数分ほど待てばインストールが完了するので、画面の指示に従ってコンピューターを再起動すれば導入完了だ(図06~08)。

図06 実行ファイルをダブルクリックして、インストーラーを起動する

図07 場合によってはプログラムの終了を求められるので、<続行>ボタンをクリックする

図08 インストールを終えると、コンピューターの再起動をうながされるので、<今すぐ再起動する>ボタンをクリックする

なお、Internet Explorer 9ベータ版と同じく、同RC版も対応OSはWindows Vista/7/Server 2008/2008 R2(各32/64ビット版)の四種類に限られ、Windows XPは除外されている。