米AppleがITセキュリティ専門家を雇い入れたことが話題になっている。David Rice氏は米海軍出身のプロフェッショナルで、「Geekonomics」(邦訳「欠陥ソフトウェアの経済学」)などの著書でも知られる人物だ。一説によれば、最近になりiPhoneやiPadの企業への売り込みを強化するAppleが、同氏の協力でその支援とすることが狙いともいわれている。All Things DigitalのNewEnterpriseコーナーでArik Hesseldahl氏が報じている。

Hesseldahl氏によれば、AppleとRice氏ともに同件についてのコメントは行っておらず、その意図は不明となっている。だがAppleは昨年2010年末に米Unisysとの提携で企業向けのセールス部隊を拡充して、iPhone/iPadら新ジャンルの機器のエンタープライズ分野への売り込みを強化しており、セキュリティ専門家の雇い入れがこの動きにリンクしているのは想像に難くないという。実際、最近になりiPadやiPhoneを導入する企業や組織は増えつつあり、両製品の売上の下支えを行っているという見方が有力だ。

一方でDavid Rice氏本人に関する情報は、本人のLinkedInのページである程度入手が可能だ。1994年に海軍士官学校を卒業し、Information Warfare and Systems Engineeringの修士課程を経ている。海軍ではNSAのGlobal Network VulnerabilityアナリストやSpecial Duty Cryptologic Officerを務めており、組織のネットワークセキュリティに関するプロフェッショナルであることがうかがえる。現在はNPOのU.S. Cyber Consequences Unitでコンサルティングディレクターを行っており、Hesseldahl氏によれば3月よりAppleでの業務を開始することになるという。