カシオ計算機「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」は、ハイブリッドGPS機能を搭載したコンパクトデジカメだ。今春発売した「EXILIM Hi-ZOOM EX-H15」から光学10倍ズームや14メガCCDを受け継ぎながら、GPSと地図機能を新搭載した。そのレビューをお伝えしよう。

カシオ計算機「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」

GPS対応のデジカメが最近増えているが、中でも一歩進んだ「ハイブリッドGPS」機能を備えるのがEX-H20Gである。これは、GPS衛星を使った従来型の測位に加えて、モーションセンサーによる自律測位を実現したもの。衛星からの電波を受信できない屋内シーンでも、位置情報付きの写真を撮ることができる。

ハイブリッドGPSの使い方は、メニュー画面から「GPS」を「入」にしておくだけ。すると、撮影した場所の緯度と経度、およびカメラの方向がメタデータとして自動的に画像に記録される。最初にGPSを使う際は、測位に数分待たされるが、いったんGPS機能をオンすれば、カメラの電源がオフでも電波受信は間欠的に行われるため、測位時間を意識することはほとんどない。

設定メニューの「GPS」で、切/入の切り替えを行う

この写真の撮影地点は「東京交通会館」だが、被写体は「東京国際フォーラム」。どちらを地名記録するかはユーザーが選択できる

電波の受信状況は、その強弱を5段階のアイコン表示によって知ることができ、GPSからの電波が弱い場合には自動的にモーションセンサーによる測位が行われる。GPSに比べると測位の精度はやや劣るものの、従来のGPSデジカメでは不可能だった場所でも、位置情報を記録できるのはありがたい。趣味としての利用なら十分に実用的だと思う。

さらに便利なのは、緯度や経度だけでなく、撮影場所の地名や建物の名称まで表示・記録できること。電源を入れ、カメラを構えるだけで、その場所の地名が液晶表示されるのは、まるでARのような感覚であり、初めて使った時にはちょっとした感動を覚えた。

地名は最大で6個まで表示され、どれを画像に記録するかはユーザーが選択できる。例えば上の写真は、東京の有楽町にある東京交通会館のテラスから、その手前にある東京国際フォーラムを撮影したもの。これを撮る際には、最初に「東京交通会館」と表示されたが、十字キーを押して「東京」や「有楽町」「東京国際フォーラム」といった他の候補に切り替えることができる。

動画
位置情報は静止画だけでなく動画にも記録できる。1280×720ピクセル、再生時間約11秒、ファイル容量約16.5MB

この地名情報は、カメラに内蔵した約100万件のデータベースを利用したもの。緯度や経度の情報と同じくメタデータとして画像に記録されるが、必要に応じて画像の右下に地名を写し込むことも可能だ。……つづきを読む