憧れのバウリンガルが低価格で入手可能に
愛犬の気持ちを知りたい! そんな願いを叶えてくれる夢のコミュニケーションツールが、2002年にタカラ(現タカラトミー)から発売された「バウリンガル」だ。30万台以上販売されたという伝説の犬語翻訳機で、現在でも「バウリンガルボイス」という後継機が同社より発売されており、ますます進化を続けている。しかし、初代バウリンガルは1万4,800円、最新版のバウリンガルボイスは1万9,950円と購入するにはかなり勇気が必要で、「欲しい」と思っていても購入できずにいた人が多かったのでないだろうか。
そんな悔しい思いをしてきた愛犬家たちに朗報である。iPhone上で動作する「バウリンガル for iPhone」が登場したのだ。価格はなんと600円。最新の「バウリンガルボイス」の約30分の1だ。しかも執筆時点では450円のキャンペーン価格で購入できた。
備えている機能は、不満、威嚇、アピール、悲しい、楽しい、お願いの6つの基本的な気持ちを伝える「犬語翻訳」に加えて、スタンダード犬、オス犬、メス犬、関西風味、土佐風味、犬の道と言ったスタイルで表現できる「バウリンガル翻訳辞書」、Twitterと連動する「バウイッター」などだ。「バウリンガルボイス」のような音声同時通訳機能やスケジュール、犬ドリル、データ分析といったコンテンツは用意されていない。
犬語翻訳の結果に多少の不満が残るが
さて、ウンチクはここまでにして実際に筆者の愛犬のダックスフンドで試してみた。このアプリは、iPhoneで録音した結果を解析して表示するようになっている。録音レベルも調整できるようになっていて、とりあえず犬種だけ設定して後は初期設定の状態で夕飯をねだっている時に録音。しかし、「淋しいでーす」といきなり大外れ。もらえるまで同じ調子で鳴き続けているのでもう一度録音…「遊ぼうよ」。さらにもう一度…「ぼくうれしい」。うーん、筆者の限られた環境ではあるが、なかなかうまくいかない。
ちなみに愛犬とのこれまでの付き合いから、彼がエサを要求しているのは間違いない。初代バウリンガルのほうがもう少し的中率が高かったような気がするのだが、もし同じような仕組だとしたら、正しく表示させるためにはコツがあるのかもしれない。
いろいろと試している間にバージョンが1.1.0に無料アップデートされ、バウリンガル翻訳辞書に「スタンダード犬(感情表記版)」「渋谷犬」「アキバ犬」「感情判断」が新たに追加になった。「スタンダード犬(感情表記版)」「渋谷犬」「アキバ犬」は相変わらずランダムな判定だったが、「感情判断」は6つの判定に絞っているためか若干安定しているような気がする。まあ、翻訳精度の問題はともかく、これまでにはなかった遊び道具と捉えて愛犬と接するにはそれなりに楽しいアプリである。
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2010年12月2日にアップデートされたバージョン1.1.0。6つの感情判定のみに対応した「感情判断」で試してみると約6割ぐらいの確率で威嚇が表示されたので、それなりに安定しているような気がする。ただし、犬はエサをねだっているので意味はちょっと違うのだが… |
従来のバウリンガルにはなかった機能として、翻訳した気持ちをそのままツイートできる「バウイッター」はソーシャルネットワーキングに対応した新しい試みだ。自分と愛犬のアカウントを作成してバウリンガル内で自分との会話を記録することもできる。また、バウリンガル翻訳辞書は、今後も追加されて行く予定で、癒し道具としての機能も十分だ。犬種の設定は56種から選択できるが、人間と同じで声の調子や高さはそれぞれ異なる。また、犬とiPhoneの距離、周囲のノイズなども大きく影響するようなので、翻訳精度がアップするように自分なりの方法を愛犬と一緒に探りながら遊んでみてはいかがだろうか。
なお、対応モデルは、iPhone、iPod touch(第2世代)、iPod touch(第3世代)、iPod touch(4th generation)およびiPad互換、OSはiOS 4.0以降、ジャンルはソーシャルネットワーキング、アプリサイズは1.4 MB、対応言語は日本語、執筆時のバージョンは1.1.0。