名称こそWindows版と同じだが、Outlook 2011はまったく新しいデータベース形式が採用されたCocoaアプリケーションだ。新データベース形式では、Outlook内に日々蓄積される情報から変更が生じた部分のみの更新が可能となっており、その堅牢性は大きく向上している。さらにMac OSのTime Machine機能によるこまめなバックアップにも無理なく対応可能となった点も見逃せないポイントだ。

Outlook自体にもデータのエクスポート機能はあるが、日々メールデータをバックアップしている人はそういないだろう。特に重要と思われるメールがあれば別ファイルに保存する程度のバックアップ体制が大方ではないだろうか。

その点Outlook 2011なら、Time Machineの設定さえ行っていれば、Outlook側では特別な設定が不要という手軽さで自動的にバックアップが行われ、トラブルによる不具合や操作ミスによるメールの削除時などに、任意に時点の状態に復元することができるのだ。

[書類]フォルダ内の[Microsoftユーザーデータ]内にある[Office 2011 Identities]フォルダを選択してTime Machineを起動。復元を行うとOutlookを過去の時点の状態に戻すことができる

Time Machineによるフォルダの復元後は、Macを再起動してOutlookを起動。表示される画面で[再構築]ボタンをクリックすれば、データベースが再構築されデータが復元される

Quick Look機能よるメールの添付ファイルのプレビュー表示もぜひ利用したい便利機能だ。Office 2011の新機能など、一部表示ができない書式があるのはやや残念ではあるが、Windows版Outlook 2010のプレビュー機能に比べ動作が軽く、[プレビュー]ボタンをクリックすればほぼ待ち時間なく内容の確認ができるのは重宝する。

さらにSpotlight検索への対応も前バージョン同様に行われていて、件名はもちろん、内容にキーワードが含まれたアイテムも簡単に探し出すことができる。種類を問わない情報の抽出に加え、Outlook起動中以外にも検索できることで、情報のより効率的な利用に一役買っているのだ。

添付ファイルを選択し、隣にある[プレビュー]ボタンをクリックするか、スペースキーを押すと、別ウィンドウでプレビューを確認できる。とりあえず素早く内容を確認したい時に便利だ

デスクトップでSpotlight検索を行うと、件名に加え内容にキーワードを含むアイテムも検索可能。Wordや画像などのファイルと一緒にメッセージやTo Doが検索されていることが、この画面からもわかる

Outlookの新機能紹介の第二弾となる次回は、Windows版Outlookをはじめとした他のメールソフト・スケジュール管理ソフトとの互換性についてチェックしていきたい。注目はなんといってもWindows版Outlookのバックアップファイルのインポート対応だ。

Office for Mac 2011 新機能大全

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