ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は29日、家電量販店におけるデジタルフォトフレームの販売動向を発表した。

デジタルフォトフレーム市場は、2009年に年間販売台数100万台の大台を超えたのに引き続き、2010年も堅調に拡大。2009年と比べるとその成長率は鈍化してきているものの、2010年1月から10月の累計販売数量は、昨年の約2倍に相当する前年比89%増に達した。

市場を牽引しているのは、2009年から2010年にかけて携帯主要3キャリアが相次いで発売した3Gネットワーク対応モデル。同モデルは、携帯電話から直接画像を送信できる手軽さが特徴で、活発な広告展開や店頭キャンペーンが成功し、市場は順調に拡大している。発売当初は数%に満たなかった数量構成比も、10月には38%を占めるまでに至った。

画面インチサイズ別の数量構成比を見た場合、80%前後で推移している7インチモデルが昨年に引き続き主流となっている。8インチ以上のモデルは、モデル数が増えたものの直近月で同15%に留まっており、デジタルフォトフレームの大型化は足踏み状態にあると推測している。

また、8インチモデルは7インチモデルに次ぐモデル数がありながらも、数量構成比は5%前後と伸び悩んでおり、要因として7インチとの価格差拡大が挙げられている。今年1月の時点では、両者の価格差は3,000円程度まで縮小していたが、直近では再び5,000円程度まで拡大。両モデルでは搭載機能に大きな違いが無いことから、消費者は安価な7インチモデルを選択していると考えられる。

HD動画再生機能を持つ、富士フイルムのデジタルフォトフレーム「DP-S7V」

一方、動画再生機能を搭載するモデルは、10月において販売台数の2割程度に留まっている。しかし、10月と11月にはパナソニックとソニーが動画再生機能を搭載したモデルを相次いで発売するなど、ラインナップを拡充する動きがある。この背景には、身近なモバイル機器における動画撮影機能の進化が考えられている。例えば、デジタルカメラにおいてはHD動画を撮影できるモデルの普及が顕著であり、2010年1月には53%に過ぎなかった数量構成比が、10月に81%を記録。また、携帯電話においてもHD動画撮影可能なモデルが発売されてきている。

同社では、デジタルカメラや携帯電話における動画の高画質化は、動画撮影の機会を増やして再生機器の需要を高めると予測し、今後は動画を見て楽しむ機器としてデジタルフォトフレームが普及するかが注目されるとコメントしている。