Optimus Technologyでシームレスに性能を向上可能

さて、本製品が搭載するCPUは先述のとおり、2.66GHz駆動のCore i5-560Mとなる。Core i5-560Mは今年第2四半期に投入されたモバイル向けプロセッサの新モデルで、これを早速採用したということになる。Hyper-Threadingによって2コアCPUながら4スレッドの同時実行が可能なほか、TurboBoostをサポートしているので定格2.66GHzに対して、3.2GHzまで自動オーバークロックを行える。

本体底面にメモリスロットとHDDベイを搭載

メモリとHDDの容量については先述したとおり。メモリは2スロットを備え、最大8GBまで対応。HDDは2.5インチのシリアルATA接続となる。標準仕様では320GBであるが、カスタマイズが可能で、128GBのSSDもメニューに用意されている。これらは底面に収納されており、保証を考えなければ、ユーザ自身の手による交換も容易だ。

デバイスマネージャー画面

さて、今秋発売のT510の最大のポイントとなるのはNVIDIAのOptimus Technologyである。Optimus TechnologyはIntelのCPUが持つ統合型グラフィックスと、NVIDIAのGPUの両方を搭載するシステムにおいて、このGPUをシームレスに切り替える機能だ。これまでのスイッチャブルグラフィックスも自動化はされていたが、判定できるのはAC駆動とバッテリ駆動のみ。ACアダプタで利用している場合にはNVIDIAのGPUを用いるが、バッテリ駆動となったときに自動的に統合型グラフィックスへと切り替えるものとなる。

Optimus TechnologyはNVIDIAのグラフィックスドライバが起動中のアプリケーションを判定し、グラフィックスを切り替える。例えば、AC駆動時でもグラフィックス負荷が低いアプリケーションでは統合型グラフィックスが用いられ、バッテリ駆動時でもグラフィックス能力が求められるゲームなどを起動すればNVIDIAのGPUが利用される格好となるわけだ。電源で判定するか、アプリケーションで判定するかの違いについては好みもあるだろうが、違うテクノロジーが採用されているということを意識して利用する必要はある。

Optimus Technologyによるグラフィックスの切り替えは、NVIDIAコントロールパネルから行う

その切り替え設定は、NVIDIAのグラフィックスドライバが行う。あらかじめ多くのアプリケーションが登録されている。そのリストの中心になっているのはゲームである。このリストにないアプリケーションで自動切り替えを利用したい場合には、アプリケーションを自分で登録することもできる。

搭載されているGPUは、NVIDIAのNVS 3100Mである。16CUDAコアを備えるGPUで、16コアのGPUということで、3Dグラフィックス性能の大幅な性能強化は期待できないが、動画エンコードやWebレンダリングのCUDA処理やGPUアクセラレーションが、Intel製GPUよりもNVIDIA製GPUのほうがサポートされることが多いという点がメリットになるだろう。