ThinkPad TシリーズにはほかにThinkPad T410sがラインナップされる。T410sが14.1型液晶を搭載することでモビリティを意識した作りになっているが、本製品は15.6型を搭載することで、据え置きでの利用を重視しているのが大きな特徴となる。その15.6型液晶は1,600×900ドットの解像度で表示されるもの。欲をいえば切りがないが、15型クラスでも1,366×768ドットの製品が珍しくないなか、標準仕様で1,600×900ドットとなっているのは魅力だ。さらにいえば、液晶パネルもカスタマイズ可能で、廉価な構成なら1,366×768ドットとなるが、最高では1,920×1,080ドットのフルHDパネルという、15.6型を採用したことのメリットを活かせるカスタマイズメニューも用意されている。

液晶解像度は標準仕様でも1,600×900ドットと広め。カスタマイズにより1,920×1,080ドットパネルを選択することもできる

本体サイズはW372.8×D245.1×H35.8mm。15.6型液晶を搭載する製品相応の本体サイズになっており、先の繰り返しにはなるがやはり据え置きが基本になるだろう。ただ、ThinkPadらしく昨今のノートPCに多い奥行き方向のクサビ状デザインがないため、数字から受ける印象よりは本体サイズが薄く感じられる。

背面はThinkPadおなじみのつや消しブラック。角張ったデザインも健在だ

キーボードは両脇にスピーカーが配置される関係で、実質的に14型クラスのノートPC製品と同等のスペースに収まっている。配列はThinkPadシリーズでおなじみの七列配列だが、ESCキーとDeleteキーを縦長にした新タイプのキーとなる。凹凸のはっきりしたキー形状、がっしりとしたキー感触など、ThinkPadらしい打ちやすいキーは健在だ。

ThinkPadシリーズの伝統である七列キーボード。ESCキーとDeleteキーを縦長にした新タイプを採用している

ポインティングデバイスはタッチパッドとトラックポイントの両方を搭載。トラックポイント用のボタンは三つボタンで、中央キーを用いることでスクロールなどを行えるおなじみの設計になっている。このほか、キーボードの右手前部には指紋リーダーを搭載。ビジネス向けノートPCの必須機能だ。

ポインティングデバイスはタッチパッドとトラックポイントを装備

キーボード右手前には指紋リーダーを備えている

また、光学ドライブを内蔵するのも本製品の大きな特徴となっており、標準仕様ではDVDスーパーマルチドライブが内蔵されている。USBメモリの容量増などにより、昨今は光学ドライブの必要性は下がっているのが現実だろう。それでも、まだまだCD-RやDVD-Rによるデータ提供は珍しくなく、そのような場合に光学ドライブが手元にないことはビジネスの停滞を生みかねない。普段は使わなくても、保険として搭載されていることに意味はあるだろう。ちなみに、本製品の光学ドライブはThinkPadシリーズのウルトラベイ・エンハンスドタイプとなっており、ほかの光学ドライブへの交換が可能だ。さらに、ウェイトセーバーも付属しているので、不必要時には光学ドライブを取り外して軽量化しておくこともできる。

右側面にはExpressCard/34、SD/MSカードスロット、光学ドライブなどを搭載するウルトラベイ、LANポート、セキュリティロックスロットを備える

ウルトラベイのデバイスは交換が可能。軽量化のためのウェイトセーバーも付属する

左側面には無線スイッチ、IEEE1394、eSATA/USB兼用ポート、USB×2、D-Sub15ピン、DisplayPortを備える

背面にはUSB(Powered USB対応)、モデム、電源端子を備える

インタフェースはExpressCard/34、SD/MS対応カードスロット、ヘッドホン出力、LAN、モデム、eSATA、USB 2.0、D-Sub15ピン、DisplayPortを搭載。USB 2.0は計4ポート備えており、うち一つはeSATAと兼用、一つは電力供給を強化したPowered USBとなる。また、最近対応製品が増えてきたDisplayPortのサポートも特徴といえる。

ネットワークやワイヤレス機能は、有線のギガビットイーサのほか、802.11g/b/a対応の無線LAN、WiMAX、Bluetoothをサポート。3Gモジュール以外はほぼサポートしているといっていい状況で、モバイル重視製品ではない本製品としては十分すぎる装備といえるだろう。

液晶ディスプレイ上部に200万画素Webカメラを内蔵する

バッテリは9セルタイプが付属している。9セル製品の場合、背面から3セル分がはみ出すような格好となる。オプションとして4セル/6セルバッテリも発売されているので、はみ出るのが気になる場合には必要に応じて導入するといいだろう。ACアダプタもそれほど小型のものではない。とはいえ、据え置き利用がメインとなるであろうT510においては、これらはそれほどデメリットとして受けとる必要はないだろう。

付属のバッテリは9セル。後部へのはみ出しや重量が気になるなら、4セル/6セルのオプションを導入できる

付属のACアダプタ。15型クラスの製品用としては大型ではないが、モバイルに適応するといえるほど小型ではない