HTC Nippon CPO小寺康司氏

HTC Nipponは12日、都内にて同社の製品戦略の説明と最新機種「HTC Desire HD」を含めたHTC製スマートフォンを紹介するプレスセッションを行った。新たにCPOに就任した小寺康司氏が登壇し、質疑応答にも対応した。

日本市場において、業界最多となる20種類以上のスマートフォンを発売しているHTC社。小寺氏によれば、現在、全世界に出回っているAndroid端末の5台に2台、Windows Phone端末の2台に1台がHTC製であるという。これは1秒に1台、世界のどこかでHTC端末が売れている計算になるとのことだった。

HTCの主戦場であるアメリカの市場では、この1年間でブランド認知度が13%から48%に上がった(写真左)。それに伴い、顧客満足度も急激に上昇している

アメリカ市場では、同社のUI「HTC Sense」の満足度はiPhone 4と肩を並べている(写真左)

12日にソフトバンクから発売が開始されたHTC Desire HD。この製品の特長について小寺氏は、10秒以内に電源が立ち上がること、Eメールの使い勝手が向上したことや、720pで撮影したハイビジョン動画を簡単にネット上へアップロードできること、およびDLNAコネクトを用いてデジタルテレビにワイヤレス転送して楽しむことができることなどを挙げた。

また、クラウドサービス「HTC Sense.com」についても言及があった。まずアドレス帳、カレンダー、SNSのメッセージのやりとりなどをHTCのサーバー上に保存できるというバックアップ機能。これをユーザーは無償で利用できるという。端末を機種変更しても同じデータを扱えるので、データの移行に悩む必要がなくなる。

手元にスマートフォンがないときを想定した、PCでの遠隔操作機能も充実している。例えば端末を家の中で見失ったときには、端末にメロディを流すよう仕向けることができる。家に忘れて外出してしまったときは、電話やメールを別の端末に転送させることが可能。紛失したときにはロックをかけることができ、「見つけた方は、ここへ電話してください」とディスプレイにメッセージを表示することができる。二度と戻ってこないと諦めたときは、端末内の情報を全て消去することができる。

端末を拾った人がディスプレイ下部の緑の部分をタップすると、指定された番号に電話がかかる仕組み

ユーザーの利便性を追求したこのHTC Sense.comだが、HTC Desire HD以降の機種で利用できるようになる。過去の同社端末で利用可能になるかは検討中とのことだった。また、現在はAndroid端末への提供のみ。例えばHTC製Androidで保存した内容を機種変更後のHTC製Windows Phoneで利用する、というようなOSを越えての利用はできないという。

続いて質疑応答となった。今後OSのアップデートにはどのくらいの期間で対応できるのかについては、これまでもGoogle社が発表してから1、2ヶ月内に対応できている実績を述べ、今後もその程度の早さで対応したいとした。SIMフリー端末の発表は考えているかについては「通信事業者と組んで展開する方が効果が大きいので、考えていない」。ガラケーの機能を盛り込んだ端末を投入する予定はあるかについては「ユーザーの生活に密着した機能については、いずれやらざるを得ないものもある」と回答した。

会場には、世界で販売されている同社の端末が揃えられた。日本市場で見かけないものも多く、記者たちの注目を集めていた。

HTC 7 Pro

HTC Aria

HTC Legend

HTC Pro Three(写真左)とHTC EVO 4G