最後の新型MacBook Airの発表は、この日の「One more thing...」だった。ソフトウエアの"Back to the Mac"がMac OS X Lionなら、MacBook Airはハードウエアの"Back to the Mac"である。フラッシュストレージによるスリープ状態からの即時復帰、長いバッテリー持続時間と長いスタンバイ時間、薄く軽量なデザインなど、iPadの特徴が数多くとり入れられた。詳しくは「新MacBook Airはインスタントオン!?」を読んでいただきたいが、携帯電話やタブレットデバイスのようなスタイルで使用するのを提案するモバイルノートパソコンだ。Jobs氏は「これがノートブックパソコンの未来だと、われわれは考えている」と述べてMacBook Airを発表。また最後に「これらをMacBookシリーズの次世代と位置付けている。いつかはすべてのノートパソコンがこのようになると、われわれは期待している」とアグレッシブにアピールした。

モバイルデバイスとしてのiPadの長所をMacBookにとり込んだのが新MacBook Air

最も厚い部分で0.68インチ(約1.73センチ)、最も薄い部分は0.11インチ(約0.28センチ)

フラッシュストレージは衝撃に強く、小型化が可能であるという点でモバイル向き。またスリープ状態からのすばやい復帰を実現する

「アグレッシブに設定した」というMacBook Airの価格。米国では999ドルから

MacBook Airのキモはバッテリー持続時間だ。13インチモデルの場合、ワイヤレスWebテストで最大7時間、スタンバイ時間が最大30日間である。今回のワイヤレスWebにおけるバッテリー持続時間は、より厳しい環境でのテスト結果だという。通常ノートパソコンを使うときには、公表されているバッテリー持続時間の数字から1-2時間は差し引いて考えた方が無難だが、MacBook Airの最大7時間(13インチモデル)/最大5時間(11インチモデル)は実際に使用できる時間に近いそうだ。前世代の13インチのMacBook Airはバッテリー持続時間が最大5時間だったが、テストが異なるため、実質的に新世代のバッテリー性能は前世代から2倍の向上だという。

最後に展示会場レポートで書き忘れた小ネタを1つ。AppleのWebページで公開されている新MacBook Airの内部写真は、基板やバッテリー、チップ、ケーブルなどパーツのほとんどが黒である。iPhone 4もそうだったので聞いてみたところ、やはり内部の見た目をフラットな黒でまとめ上げるように意図したものだという。ほとんどのユーザーがMacBook AirやiPhoneの本体を開けてみることはないと思うが、最近はApple製品が発売されるとすぐに分解画像がネットで公開される。ユーザーが目にする可能性があるところはとことんデザインする。すさまじいこだわりである。

内部の見た目にまでこだわったデザイン。フラットブラックでソリッドにまとめられている