米NVIDIAは4日(現地時間)、ワークステーション向けGPUの「Quadro」シリーズに「Quadro 2000」「Quadro 600」を追加した。両製品ともにDirectX 11、OpenGL 4.1、CUDAやOpenCL等をサポートするFermi世代のGPU。これまでハイエンド向けに3製品が投入されているFermi世代のQuadroたが、今回追加されたQuadro 2000はミドルレンジ、Quadro 600はエントリーレベルをカバーする製品であり、これによりフルレンジでFermi世代へとリフレッシュされたことになる。

ミドルレンジをカバーするQuadro 2000

Quadro 2000はCUDAコアが192基、メモリはGDDR5の1GBでバス幅は128bit。メモリ帯域幅は41.6GB/sec。消費電力は62Wに抑えられており、これはひとつ上位のモデルであるQuadro 4000に対し半分以下である。ディスプレイ出力端子はDVI-I×1基およびDisplayPort×2基。カードはクーラーの厚みも1スロットサイズに収まるコンパクトサイズ。SLI Multi-OSをサポートするが、SLIモザイク・モードおよび通常のSLIフレーム・レンダリングはサポートしていない。

エントリー向け製品となるQuadro 600

Quadro 600はQuadro 2000の半分となる96基のCUDAコアを搭載している。メモリ容量は1GBでバス幅は128bitだが、こちらはDDR3メモリを採用している点が大きく異なる。メモリ帯域幅は25.6GB/sec。消費電力は40WでありQuadro 2000よりもさらに抑えられていることに加え、カードはコンパクトなきょう体にも収めることが可能なロープロファイル(ハーフハイト)で1スロットサイズのクーラーを採用している。ディスプレイ出力端子はDVI-I×1基とDisplayPort×1基。3D Vision Proには対応しているが、SLIには対応しない。

■Fermi世代のQuadro GPU
製品名 CUDAコア数 メモリ 消費電力
Quadro 6000 448基 6GB GDDR5(384bit:144GB/s) 204W
Quadro 5000 352基 2.5GB GDDR5(320bit:120GB/s) 152W
Quadro 4000 256基 2GB GDDR5(256bit:89.6GB/s) 142W
Quadro 2000 192基 1GB GDDR5(128bit:41.6GB/s) 62W
Quadro 600 96基 1GB DDR3(128bit:25.6GB/s) 40W

両製品とも本日より出荷開始され、Quadro 2000は59,800円、Quadro 600は22,800円(ともにメーカー希望小売価格)。国内ではエルザジャパンから販売される。