「CCleaner」でレジストリをメンテナンスする

前回に引き続き、不要なファイルなどを一括して削除できるソフト「CCleaner」を使ってPCを快適に使うためのメンテナンス方法を紹介します。では、CCleanerの有益な機能であるレジストリの保守にチャレンジしてみましょう。

注意:本稿では、レジストリを操作していますが、ソフトウェアの利用は使用者の責任で行ってください。

CCleanerを起動画面で左ペインに並ぶ<レジストリ>ボタンをクリックしますと、「レジストリの保守」で対象となる項目が列挙されます。こちらも先ほどと同じように保守(削除)対象となる項目を取捨選択し、<問題点をスキャン>ボタンをクリックしてください。なお、直接<問題を解決>ボタンをクリックすることはできません(図19~20)。

図19 左ペインで<レジストリ>ボタンをクリックし、保守対象となる項目を取捨選択してから、<問題点をスキャン>ボタンをクリックします

図20 項目ごとに解析が行なわれ、不要なレジストリエントリが列挙されます

問題点として、よく列挙されるのが、<見つからない共有DLL>です。初めてCCleanerを使用した時は、.NET Framework 1.0.3705に関する問題点が列挙されることでしょう。これは、レジストリ上にはエントリが作成されていながら、実際にDLLファイルが存在しない場合に問題点として挙げられます。また、<関連づけられていない拡張子>も同様に、数多くの問題点が出てくることでしょう。これは、Windows 7が使用したファイルの拡張子を自動的に、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\FileExtsキーに登録する仕組みを備えているためです。CCleanerでは、同キーに登録されたエントリ(キー)を解析し、関連付けられていない拡張子だけをピックアップし、削除対象に加えていますので、安心して削除してください。

<MUIキャッシュ>では、ファイルの操作履歴として格納しているHKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\MuiCacheキーを対象に解析を行います。レジストリ上にエントリが残されていても、既に実際のファイルが移動もしくは削除されている項目を削除対象に加えるという仕組みです。

レジストリ情報を削除する前には、バックアップとしてレジストリファイルの作成をうながされます。これは必ず作成しておきましょう。古いバージョンで筆者が体験した例では、特定のデバイスドライバがレジストリの保守対象となってしまうことがありました。まとめて問題点を解決し、コンピューターを再起動しますと、もちろん同デバイスドライバを必要とするデバイスが正常に動かなくなります。

しかし、レジストリファイルを作成していたため、必要な部分をインポートすることでトラブルを解決することができました。CCleanerもバージョンを重ねることで、このような誤判断はかなり減ってきましたが、物事に完全はありませんので、必ずバックアップを作成することを強くお勧めします(図21~22)。

図21 <問題点を解決>ボタンをクリックしますと、最初にレジストリ情報をファイルにエクスポートするか、確認をうながされます。通常は<はい>ボタンをクリックしてください

図22 ドキュメントフォルダーをカレントフォルダーとして、ファイルファイル操作を行うコモンダイアログが起動します。ファイル名も自動的に付けられますので、そのまま<保存>ボタンをクリックしてください

レジストリの保守は<これを解決>ボタンをクリックして、ワンステップずつ処理するか、<選択したすべてを解決>ボタンをクリックしてまとめて処理する2種類の方法からお選びください。前者なら削除対象となる問題点の情報がメッセージとして表示されますので、操作に不慣れな間はこちらを選択すべきでしょう。なお、作業完了後はレジストリの保守を行っても、正しく動作している確認する意味でコンピューターを再起動してください。アプリケーションの起動やWindows OSの操作を行い、特に問題がなければ作業完了です(図23~24)。

図23 レジストリの保守では、ワンステップずつ不要な情報を削除できます。メッセージ内容を確認し、<これを解決>ボタンをクリックしてください

図24 <選択したすべてを解決>ボタンをクリックすれば、列挙された問題点をまとめて削除できます。終了後は<閉じる>ボタンをクリックしましょう

ちなみに不要ファイルや履歴情報の削除と同じように、「レジストリの保守」に並ぶ項目を右クリックしますと、保守項目単位で解析を実行できます。一時的なメンテナンスを行う時に同機能をお使いください。また、問題点として列挙された項目を右クリックすることで、削除対象となる項目の取捨選択を簡単に行えます。<この種類~>はレジストリの保守項目単位で取捨選択し、削除項目から恒久的に取り除く場合は<除外リストに追加>を選択してください。また<レジストリエディタで開く><テキストとして保存>は、文字どおりレジストリエディターの起動と、テキストファイルの出力を行います(図25~26)。

図25 不要ファイルの削除時と同じく、項目を右クリックすると表示されるメニューから、個別に解析を実行できます

図26 問題点が列挙されている場合は、項目を右クリックすることで、保守項目単位での取捨選択や例外情報の登録、レジストリエディターの機能などが可能です