NTTデータ ビズインテグラル 代表取締役社長 中山義人氏

NTTデータ ビズインテグラルは9月3日、クラウドサービスを利用してIFRS(国際財務報告基準)に対応する連結会計ソリューション「連結クラウド」を発表した。同ソリューションは、NTT データのクラウドサービス「BizXaaSプラットフォームサービス」上で、ディーバとの業務提携で提供された連結パッケージ「DivaSystem 9」、「DivaSystem GEXSUS」をNTT データ ビズインテグラルがOEM 化して「Biz∫会計」と連動させたもの。

NTTデータ ビズインテグラル 代表取締役社長の中山義人氏は、「IFRSは今後需要が高まっていくが、IFRSに対応していく中でグループ連結の強化やグループ経営の可視化といった課題が出てくる。企業がIFRSにスピーディかつ低コストで対応することを実現するのが、月額料金で利用可能な連結クラウドだ」と説明した。

ディーバ 代表取締役社長 森川 徹治氏

今回、製品を提供しているディーバ 代表取締役社長の 森川 徹治氏は、「会計は"管理会計"、"連結会計"、"税務会計"に分けられる。IFRSを含む連結会計は、投資家に向けた資金調達のための開示会計と言える。近年、上場に要するコストの上昇とともに、資金調達コストも増えているため、上場を廃止する企業も増えている。こうしたなか、われわれは企業がコストを抑えつつ簡単にIFRSに対応してもらいたいと考えており、その解の1つが連結クラウド」と述べた。

続いて、NTTデータ ビズインテグラル 取締役 営業本部長の田中秀明氏が、同ソリューションについて説明した。

同氏は、「子会社はIFRSの対応という観点から3つに分けられる。IFRS対応が必要な子会社はIFRS完全対応のオンプレミスの製品を使う必要がある。IFRS対応が望ましい子会社はスケジュールやコストの面からIFRSに完全に対応したSaaSを利用するとよいだろう。IFRSに必要な情報だけを提供すればよい子会社は社内にIFRSに対応するための体制は不要であり、データの変換のみを行うSaaSを利用すればよい」と説明した。

この3つのグループのうち、「IFRSに必要な情報だけを提供すればよい子会社」の数が最も多く、同ソリューションがターゲットとして最優先する企業になるという。

連結クラウドがターゲットとしている企業層

同ソリューションは、IFRS 対応した完全マルチテナント型の会計パッケージ「Biz∫会計」、各グループ企業の総勘定元帳を一元管理する「Biz∫G 元帳」、グループの連結会計処理のためのパッケージ「Biz∫連結」という3つのパッケージから構成される。単体決算・連結決算データの収集は「Biz∫会計」、グループ統一会計は「Biz∫G元帳」、連結決算は「Biz∫連結」で行う。

また同ソリューションでは、企業のIFRSの対応状況に応じた利用形態を提供する。IFRSに対応し自社でシステムを所有する企業は「Biz∫G 元帳」へ情報連携し「連結クラウド」を利用し、IFRSに対応するがシステムを所有しない企業は「Biz∫会計」を利用し「連結クラウド」を利用し、 IFRSに対応せず従来のシステムを利用する企業は従来のパッケージから「Biz∫会計」へ情報を連携し、その情報を「IFRS 組替サービス会社」を通して「連結クラウド」を利用する。

「連結クラウドの最大のウリはIFRS対応のコストが抑えられること。また、Biz∫会計のBPM機能は開示にも有効なほか、既存の業務プロセスの見直しも行える」と同氏。同ソリューションの提供は2011年の第1四半期に開始される予定であり、価格は未定。

連結クラウドの仕組み

がっちりと握手を交わすとディーバの森川徹治氏(左)とNTTデータ ビズインテグラルの中山義人氏(右)