本機を使い始めて、まず驚くのがそのユーザーインターフェースだ。電源を入れると、天面のパネルに内蔵されたLEDが光って操作キーが浮き出て見える仕掛けになっている。電源オフのときは、このキー部分が周囲の黒色に溶け込んで、ぱっと見ではほとんど分からない。というか、電源を入れるまでまったく気づかなかった。

電源オフの状態と(左)、電源オンにしたところ(右)。電源を入れると本体に内蔵されたLEDが光って操作キーが浮き出てくる仕組み

本体天面には3.0型の液晶モニタも内蔵されており、ボタンをプッシュするとポップアップする仕組み。もっとも、液晶モニタは格納時も上面を向いているため、ポップアップしなくても表示内容を確認することができる。しかも液晶の視野角はかなり広いようで、斜めからでも非常に見やすい。

3.0型の大型液晶モニタをポップアップしたところ。角度は自由に調節できる。この手の内蔵モニタとしては、視野角が広いので、斜めからでも見やすい

本機を使用する際は、この液晶を見ながら操作キーを使ってメニューを選ぶ形になる。ちなみに、操作キーは静電センサー方式を採用している。タッチセンス式のキーの場合、反応が鈍くて使いづらいこともあるが、本機の場合は押し込むように触らなくても軽くタッチするだけで軽快に反応する。しかも、キーとキーの間隔が十分にとられており、キー自体も大きいため、誤操作の心配もない。

ユニークなのは、機能や操作内容によってこの操作キーの光がオン/オフする点だ。たとえば、メニュー画面で上下移動しかできない場合は、操作キーも上下のみ点灯し、左右キーが消灯する。常に必要なキーのみを表示するため、迷わず操作できるのは非常にありがたい。

操作キーは、機能や操作内容によって自動的に光が点灯/消灯する。また、静電センサー方式を採用しているため、軽く触るだけでしっかり反応する。キーとキーの間はかなり余裕のある設計になっているため、誤操作はまず心配ないだろう

ホーム画面。ここで、コピー、フォト(写真プリント)、スキャンなどを選択することができる

コピーメニューの画面。コピー部数を設定できる「+」、「-」ボタンや、カラーコピー用の「COLOR」ボタン、白黒コピー用の「BLACK」ボタンが点灯され、ワンタッチで設定できるのが便利

操作キーだけでなく、液晶画面の表示内容も分かりやすくなっている。たとえば、ホーム画面や機能説明画面で表示されるアイコンが、従来の単純化された記号のようなものから、より写実的なものに変更された。そのため、ぱっと見で機能の内容がイメージしやすくなっている。また、表示内容自体が整理されており、必要な機能にたどり着きやすくなった。ファンクションキーでモードを選んだら、[Start]キーを押すだけでプリントやコピー、スキャンが開始される。メニューの下層までたどって機能を選ばなくてもいいので、初心者でも比較的簡単に操作を覚えられるだろう。

フォトメニューでは、画像を選んで1枚ずつプリントできるほか、シールやカレンダーなどを簡単に作成してプリントできる機能も搭載されている

フォトメニューの「楽しい写真印刷」に用意されている機能の例。テンプレートを選んでプリントできる「レイアウト印刷」や、シール作成に便利な「シール印刷」、BDやDVD、CDのレーベル面にプリントできる「ディスクレーベル印刷」などが利用できる

スキャンメニューの画面。スキャンした画像データは、パソコンに転送したり、本体のスロットに装着したメモリーカードに保存したりできる