スマートフォンがどこまで普及するかについては、月刊テレコミュニケーション編集長の土谷氏がアメリカでは2011年にもフューチャーフォンをスマートフォンが逆転するという予測を紹介。木戸氏、増田氏、遠藤氏はともに、「わからない」としたものの、日本では来年に逆転するのは難しいという共通した認識を示した。

ただし、画面が大きいタブレット端末などはユーザビリティ面でシニア層へのニーズが期待できることや、iPhoneやXperiaが女性層にもかなり浸透してきていると解説。遠藤氏は来年に逆転することもなくないとし、増田氏もすぐにではないが最終的には半分を超えるくらいになるのかもしれないとコメントした。

スマートフォンの利用用途については、音声、メール、ウェブ、アプリ(PIMやゲームなど)の4つを挙げた上で、増田氏はソーシャル・コミュニケーション、遠藤氏は電子書籍、木戸氏はコンテンツが今後さらに伸びていくだろうと述べた。

KDDIの増田氏が示したソーシャルメディアの利用状況によると、キー方式による文字入力が50.9%と上位にあることがわかる

遠藤氏が示した今後のスマートフォンへの期待。エコシステムによるコスト配分の変化が起きるとした

その上で各人ともに、スマートフォンの利用がネットワークトラフィックに与える影響について触れた。増田氏は、ケータイならどんな使い方をするか想定できたが、スマートフォンは新しいWebサービスが出るたびに劇的にトラフィックが上がるため予想ができないとし、トラフィックコントロールの難しさを語った。

このほか、販売店などによるサポート体制の難しさについても語られ、ケータイとは違った対応をしなければならないという認識を示した。一方で、遠藤氏もいかにスマートフォンを普及させていくかという点で店頭コミュニケーションの重要性を挙げた。

ソフトバンクモバイルの遠藤氏は、スマートフォンから数限りない商品コンセプトが新しく生まれ、思いもよらない幸せが生み出されると提言していた

パネルディスカッションの最後に土谷氏は、スマートフォンの盛り上がりはタブレットやフォトフレームなどのマルチデバイス時代の始まりの最初のきっかけ。スマートフォンがその中でもけん引役として今後も盛り上がっていくとまとめた。

(memn0ck/K-MAX)