ダイキン工業は14日、強力な酸化分解力を持つストリーマ放電が「水中のレジオネラ属菌」を24時間で99.99%以上、分解・除去することを実証したと発表した。

今回の実証は、臨床微生物学の研究者である東京慈恵会医科大学 臨床医学研究所 保科定頼副所長と共同研究したもの。ぬめりや臭いのもととなる水中の「大腸菌」「黄色ブドウ球菌」「緑膿菌」に対しても除菌効果があることを実証している。

ストリーマ放電技術を搭載した加湿空気清浄機「うるおい光クリエール」

水中の菌の除菌には、これまで塩素剤などの投入や、水が入った容器の樹脂に銀などの薬剤を練り込むなどの方法が一般的だったが、薬剤の残留や除菌効果が限定的であるなどの問題点があった。

ストリーマ照射によるレジオネラ属菌の残存率の変化。左から照射前、照射1時間後、照射24時間後。24時間後には、球状に変化し酸化分解されている

発表された実験結果では、ストリーマ放電で生成した活性種を水中に送り込むことで、水中の菌の除菌や、水のぬめりや臭いの発生源となる菌の繁殖を抑える可能性が検証された。同社では、ストリーマ放電技術が"空気"だけでなく"水"にも適応できる可能性が広がったことで、「今後は幅広く水を扱う用途への応用展開が可能な技術として実用化に向けてさらなる研究開発を進めたい」としている。

なお同社では、2000年にストリーマ放電技術の開発をスタート。ホルムアルデヒドやノロウイルス、強毒性ヒト由来鳥インフルエンザウイルスに対する効果などを実証している。

ストリーマ放電部(左)と「ストリーマ放電技術」のデモ

デモでは、視覚的にわかりやすいようインジゴカルミン水溶液を使用。ストリーマ放電で生成した活性種を送り込むことで、酸化分解され色が変化する