PCMark Vantage v1.0.2(グラフ24~25)
FutureMark
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まずグラフ24がOverallである。さすがにCore i7-930にはやや及ばないとはいえ、Core i7-860は射程に捕らえており、特にX6 1090T(2.4G)ではOverall Scoreで明確にCore i7-860を抜いていることが判る。またTurbo Coreを無効にすると、そう大きくないとは言え明確にスコアは下がっており、やはりTurbo Coreにより、それなりに性能の底上げがあることも見て取れる。
もっともこうしたものは、当然テストによりバラつきが大きい。例えばTV&Movieに関しては、Phenom II X4以外はほぼ5000台のスコアであり、唯一Core i7-930が飛びぬけているあたりは、要するにメモリアクセス性能がそのまま効いていると判断できる。ということで、比較的面白い傾向を示しているCommunicationについて詳細を見たのがグラフ25である。Communicationのシナリオは、
・Test 1
Data encryption - CNG AES CBC
Data compression
Web page rendering - pictures
・Test 2
Data decryption - CNG AES CBC
HDD - Windows Defender
Web page rendering - favorites group parallel
・Test 3
Windows Mail - searching
・Test 4
Data encryption - CNG AES CBC
Audio transcoding - WMA to WMA
となっている。32nm世代のIntelの製品を使った場合、AES-NIが利用される関係でData encryption/decriptionが一桁高速化され、結果的にスコアが突出してしまうが、今回はまだ45nm製品ということでAES-NIは入っておらず、比較的まともな結果になっている。
さて、詳細をみてみると、AES-NIを使わない場合Core i7のData encryption/decriptionの性能はそれほど高くなく(というか、AMD並みというか)、結果として動作周波数の差でPhenom II系が有利という結果になっている。これに関してはTurbo COREや2.4GHz動作によるランダムアクセス性能の向上がそのまま効いているようで、Test 1/2/4はX6 1090T(2.4GHz)が最高性能になっている。Test3はWindows Mailの検索で、これはメモリアクセス性能がそのまま反映していると考えればいいだろう。
総じて、まだ得手不得手はあるものの、X6 1090TはCore i7-860と同等レベルの性能をPCMark Vantageは出していると判断してよいのではないかと思われる。