カプコンより2010年7月15日の発売が予定されているプレイステーション・ポータブル向けRPG『ラストランカー』。その完成披露会が6月6日に東京・銀座にて開催された。

『ラストランカー』のメルマガ会員から抽選で選ばれた100名のファンが待ちわびる中、まずはピアノ三重奏による繊細かつ華麗なサウンドが奏でられ、スクリーンに映し出される映像、そしてステージに姿を現すジグ役の神谷浩史とファズ役の中村悠一によって、ゲーム冒頭部分が生アフレコで再現される。厳かな音楽、そして2人の迫真の演技に、観客は『ラストランカー』の世界へと誘われる。

ジグ役の神谷浩史とファズ役の中村悠一がピアノと弦楽器をバックに生ボイスドラマを披露

およそ15分間におよぶピアノ三重奏による生演奏と、神谷、中村による生音声を中心としたボイスドラマに続いては、『ラストランカー』の松川美苗プロデューサーがステージに登場し、冒頭の挨拶を行い、それに続いて、『ラストランカー』の制作に携わった"最強"のクリエイターとして、シナリオの野島一成氏とミュージックの下村陽子氏、そして、神谷浩史、中村悠一がステージに顔を揃え、トークショーが繰り広げられる。

(写真左から)松川プロデューサー、神谷浩史、中村悠一、野島一成氏、下村陽子氏

まずはボイスドラマについて、「生演奏で芝居をやらせていただくのは初めての経験だったのですが、すごい迫力でしたね。途中、聴き入ってしまって、一瞬危なかったです(笑)」という神谷。そして中村も「曲を生で演奏していただきながら、僕らも生でアフレコをするという、貴重な体験をさせていただいた」との感想を述べる。

「客席で聴きたかった」という下村氏は、「音楽の思い出がいろいろとこみ上げてくる中、お二人の熱い演技にキュンキュン来ていました(笑)」と笑顔をみせる。全部で40曲ほど作ったという下村氏だが、その道のりは険しかったとのことで、「私が甘いことを言っても誰も許してくれず、みんなムチャばかり言うと思っていたら、実は自分ひとりがムチャを言っていたみたいです(笑)」。音楽については、ミーティングが7時間にもおよぶことがあり、「晩御飯も食べず、お手洗いにもいけず、気がつくと電車もなかった(笑)」(下村)というエピソードに、「7時間も話をするんですか?」と中村も驚きの表情を見せる。もう一曲ぐらい聴きたかったという下村氏の言葉には、松川プロデューサーも、ぜひともまた別の機会を設けたいと応える。

登場キャラクターについて、神谷が「意外と寡黙でクールだけど、誰よりも熱い心を持っているタイプのキャラで、真っ直ぐさゆえに、周りから見ると融通が利かない人に見えるかもしれないが、それも含めて彼の魅力に映れば」とジグについて紹介すると、中村はファズについて、「見た目から判断して、青だからクールだと高をくくっていたのですが、真っ直ぐで、自分の中に信念があって、そこから外れているものを見ると、真面目すぎるゆえに許せないキャラだった」と解説。今回が初めてのカプコンでの仕事だったという野島氏は、ジグについて、「熱さを内に秘めるか、外に出すのかで悩み、結局は秘めることにしたが、最強を目指すストーリーとして、それでいいのかと思った」とのことだが、スタッフからの好反応に一安心したとのエピソードを明かした。

トークショーは音楽やボイスドラマの収録風景を交えつつ展開される

松川プロデューサーが、「毎週月曜日に野島さんから届くシナリオが添付されたメールを、『週刊野島通信』といって、スタッフ一同で楽しみにしていた」と語ると、「僕は月曜日が憂鬱でたまらなかった(笑)」と野島氏。シナリオが少しずつ送られてくるため、続きが楽しみで仕方がなかったという松川プロデューサーは、「しかも、けっこういいところで止まっているんですよ。下村さんも同じで、Aメロだけが送られてきたり(笑)」。

開発時のエピソードなどが語られる中、『ラストランカー』のゲーム冒頭に繋がる小説が野島氏によって書き下ろされており、その小説が、6月10日より公式サイトにて公開されることが発表された。さらに、そのボイスドラマも7月2日より、公式サイトおよび「超! アニメロ」にて配信される。

小説では、ゲームのオープニングにたどり着くまでのストーリーが描かれており、特にジグを知る上では重要であるという神谷。中村も「小説の内容を知っているのと知らないのとでは、ゲームの解釈がずいぶんと変わってくる」と語る。『ラストランカー』は新規タイトルであるため、いろいろな手段を使ってその世界観を伝えたかったという松川プロデューサーは説明する。なお会場では、テレビCMの映像も公開されたが、こちらについても、「ゲームをプレイする前に観るのと、プレイした後に観るのとでは、ちがった感想を抱くと思う」(神谷)とのことなので、実際の放映を楽しみにしてほしい。

野島氏書き下ろしの小説「旅立ちの決意」は6月10日より、ボイスドラマは7月2日より公式サイトほかにて公開される

奇しくも、完成披露会が行われた6月6日は、「UVERworld」にとっても結成10周年の記念日

発売記念プレゼントキャンペーンの告知。キャスト陣のサイン入りポスターや台本がプレゼントされる

そのほか、会場では、テーマソングを担当する「UVERworld」からのビデオレターが公開されたほか、テーマソング「Ultimate」を盛り込んだPVを公開。また、特別に製本された台本(ゲームの台本は、基本的に製本されない)やポスターにキャスト陣のサインを入れたものが、ソフト購入者にプレゼントされるキャンペーンの告知などが行われるなど、盛りだくさんの内容で送られた完成披露会。出演者からの作品にかける熱い想いが語られた後、再び、神谷、中村によるピアノ三重奏の生演奏をバックにした生ボイスドラマが披露され、およそ1時間30分にわたる完成披露会の幕を閉じた。

PSP『ラストランカー』は2010年7月15日の発売予定で、価格は5,990円。

完成披露会の会場の様子。ゲームの試遊会なども行われた

ゲームタイトル ラストランカー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
ジャンル RPG
発売予定日 2010年7月15日
価格 5,990円
CEROレーティング B (12才以上対象)
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