――今回新設された「GATE」も含め、百貨店だからこそ特に重視していることはありますか?

北島「やはり百貨店ということで、お客様から期待されるサービスレベルは非常に高く、それに十分に対応するための従業員教育には日頃から力を注いでいます。お客様をお迎えして、ニーズを伺って、接客をして、お見送りをする、この一連の行為の中で、商品の販売だけではなく、それ以外の付加価値をどれだけご提供できるか。商品を定価で買っていただけるわけですから、それに見合う以上のサービスが不可欠。そのための従業員教育は非常に重要で、大きな任務だと思っています。そして、お客様に何度でも来店していただけるような売場を目指しています」

――付加価値とは、具体的にどういうことでしょうか?

北島「商品を買うだけでなく、究極的な目標は"この販売員から買おう"と感じていただけるお客様をもっと増やしていくことです。例えば、この人の接客態度がよかったから、あるいは、この人の商品説明が分かりやすかったから、だから、またこの人から買いたいという気持ちにさせること。そうすることで、来店を増やし、お買い上げもしていただけるという良い循環を作っていきたいですね」

G-SHOCKだけではなく、OCEANUSやEDIFICEなどカシオの主力ブランドが揃う「GATE」

――従業員の方の商品知識も重要になりますね。

北島「もちろんです。例えば最近は、電波時計というトレンドが市場を大きく牽引していますが、それを欲しいと感じるお客様には、電波時計に関する正確な情報をお伝えする必要があります。そのため、普段から商品知識を学ぶための講習会などに積極的に参加しています。

カシオコーナーのオープニング商材として用意されたG-SHOCK MAN BOXの『GA-110F-2JR』(写真下)。オープン前から多くの問い合わせがあり、既に完売してしまったという人気っぷり

カシオウォッチの場合、ブランドや商品によってそれぞれ際立った特徴があり、おすすめしやすいポイントが明確です。また、カシオウォッチはお客様からの指名買いが比較的多い傾向があるとも言えます。この傾向は、ほかに比べて個性の強いブランドだからではないでしょうか」

――最後に、今後の「GATE」における展開を教えてください。

北島「百貨店では、母の日やクリスマス、バレンタイン、ホワイトデーといった季節のイベントごとに多彩なプロモーションを行っています。そんなプロモーションに合わせて、売場や商品にどんな変化をつけていくのか、どうすればお客様に楽しんでいただけるのかを考えていきたいですね」