Apple iPadを筆頭に、HP slateやASUS Eee Padなど、2010年はタブレット型マシンの出荷計画が目白押しだ。また一方で米Microsoftが開発を進めているといわれている2画面タブレットの「Courier」だが、米Wall Street Journal (オンライン版)の4月29日(現地時間)の報道によれば、同社はそもそもCourierの製品化を計画したことは一度もないという。

Courierに関しては昨年2009年からたびたび登場の噂が示唆されており、一部メディアなどは最新画像やコンセプトモデルの動作ビデオを掲載してさかんに製品の存在をアピールしている。実際、コンセプトデモに魅せられた一部ユーザーの間ではiPadなど既存のタブレット製品よりも、むしろCourierのような製品を利用したいと考えている。だがWSJが一部関係者の話として伝えるところによれば、Microsoftはこれまでに一度も"Courier"プロジェクトを商用製品化する決断を行ったことはなく、当面は市場投入されることはないようだ。

米MicrosoftでPR部門コーポレートバイスプレジデントのFrank Shaw氏は29日、こうした市場の声を受け、MicrosoftのCourierにおける現在の見解を正式に発表している。それによれば、同社はCourierプロジェクトについて議論やその存在を認めたことはなく、あくまで研究開発中のプロジェクトの1つに過ぎないという。だが現時点で製品化が推進されていないにも関わらず、将来的に製品プロジェクトとして昇格する可能性があること自体は否定していない。少なくとも2010年のタブレット競争にCourierが登場することはなさそうだが、要望次第では近い将来に別の形でユーザーの手元に届くことになるかもしれない。