ヴイストンと国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、高齢者・障がい者(チャレンジド)のためのロボット技術の研究開発などに利用可能な等身大の人型ロボットプラットフォーム「Robovie-R Ver.3」を開発したことを発表した。価格は380万円(税別)で、ヴイストン、ATR双方より販売される。

「Robovie-R Ver.3」

近年、高齢者・障がい者(チャレンジド)の社会参加に貢献するロボットサービスへの利用に期待が寄せられている。例えば、商店街や駅などで、高齢者・障がい者(チャレンジド)に付き添ってロボットが道案内をする、買い物の支援をするなど、さまざまなサービスが考えられるが、このようなサービスをロボットが行うためには、点字ブロックなどの凹凸を乗り越えられる走破性、人の歩行速度と同程度の移動速度、環境に埋め込まれたセンサや携帯電話・携帯端末との通信機能、などが備わったネットワークロボットが必要になるとされている。

Robovie-R Ver.3では、これらの要求に対応するための機能を搭載しており、さまざまなサービスの実証実験に対応することが可能だ。また、無線コントローラによる遠隔操作やオプションとして全方向移動機能やグリッパハンドなども用意されている。

搭載されているセンサは、人とのコミュニケーションを実現するために、触覚としてのタッチセンサが11個、眼としてのUSBカメラが2個、耳としてのモノラルマイクが2個、口としてのスピーカが1個内蔵されており、オプションとして2つのレーザ距離センサも搭載可能だ。

コントローラとしては、Windowsが動作するPCをメインコンピュータとして内蔵しているほか、サブCPUとしてヴイストン製ロボット用CPUボード「VS-RC003HV」を採用している。付属のモーション作成ソフトウェア「RobovieMaker 2」を用いることで、条件分岐や変数の演算を含んだモーションプログラミングが可能なほか、CPUボードをシリアル通信でメインコンピュータと接続することで、各種デバイスを利用した、より高度なモーションの開発も可能となっている。

外観は標準モデルのほか、オプションとして、ロボ・ガレージの高橋智隆氏によるデザインの外装も選択可能となっている。

オプションの外装