シスコシステムズ(以下、シスコ)は4月8日、プレス向けの説明会を開催。「Cisco Unified Computing System」(以下、Cisco UCS)の"第2世代"と呼ばれる製品のメリットや、同社の"Data Center 3.0"戦略の進捗状況などを報告した。

Cisco UCSは、同社が2009年4月に発表したサーバ/ネットワーク/ストレージアクセス/仮想化といったハードウェア、ソフトウェアの統合的な管理を実現するためのソリューション。複雑化した環境を一元管理することで運用負荷を大幅に軽減することを主な目的としており、同社の "Data Center 3.0" 戦略の重要なコンポーネントの1つとして位置付けられている。

米シスコシステムズ サーバアクセス&仮想化テクノロジーグループ ソニ・ジャンダニ副社長

テレビ会議にて説明会に登場した米国本社 サーバアクセス&仮想化テクノロジーグループのソニ・ジャンダニ副社長は「Cisco UCSはすでにワールドワイドで400社以上に導入されている」として、同ビジネスが堅調であることを伝えた。さらに、インテルによるパフォーマンステストにおいて同社製品が「28カテゴリ中、12の項目においてトップの結果を出した」ことに触れ、他社製品との競争優位性をアピールした。

"第2世代"となる同社のUCS製品は、ブレードサーバとラックマウントサーバで構成され、ブレードサーバは「B200 M2」「B250 M2」(いずれも2ソケット型 インテル Xeon 5600番台プロセッサを搭載)と4ソケット型のインテル Xeon 7500番台のプロセッサを搭載した「B440 M1」のラインナップとなる。ラックマウントサーバは「C200 M2」「C210 M2」「C250 M2」(いずれも2ソケット インテル Xeon 5600番台プロセッサを搭載)と4ソケットのインテル Xeon 7500番台のプロセッサを搭載した「C460 M1」が用意される(「B440 M1」と「C460 M1」は今夏に出荷予定)。

"第2世代" Cisco UCSにおける大きなポイントの1つは、管理ツール「Cisco UCS Manager」の他社製品との連携強化。API SDK(Software Developer Kit)などを利用できる開発者向けの「Cisco Developer Network」のサポート範囲が拡大され、IBMの「Tivoli」やマイクロソフトの「Microsoft System Center」などのツールとの連携が容易になるという。

また、ジャンダニ氏は運用管理の効率化に大きく寄与する「Cisco FEX-Link」と呼ばれるネットワークアーキテクチャについて紹介。「従来のパススルー型やスイッチング型の方式を採用した環境に比べ、ケーブルの本数を60~80%削減可能で、消費電力も30%削減できる」という同アーキテクチャのメリットを強調した。このアーキテクチャはデータセンター向けスイッチ「Nexus 5000」と「Cisco UCS」で利用可能で、年内には「Nexus 7000」にも対応するという。

スイッチ製品に関しては「Nexus 2000 シリーズ Fabric Extender」に、新たに10ギガビット・イーサネットとFCoE(Fibre Channel over Ethernet)に対応する「Nexus 2248」と100メガビット・イーサネットとギガビット・イーサネット対応の「Nexus 2232」が追加された。

Cisco UCSの国内のビジネスについては、同社 専務執行役員の石本龍太郎氏が状況を説明。国内で初めてCisco UCSが導入された近畿大学の事例(1月29日公開)に触れ、「その後、金融機関からも引き合いがあるなど反響が大きかった」とし、同社として今後もこの分野("Data Center 3.0"戦略の領域)への投資を積極的に行っていく考えを示した。

説明会は同社のテレビ会議システムによって実施された