デジタルハリウッドは、専門スクール・4年制大学・大学院の卒業制作や研究成果を一堂に集めた2009年度・卒業制作展/DCM研究発表会「DIGITAL HOLLYWOOD WORKS 2010」を、秋葉原コンベションホールおよびデジタルハリウッド大学 秋葉原メインキャンパスにて開催した。

今回、展示された作品数は約300点。CG・映像・Web・グラフィックなどのクリエイティブ作品のほか、論文・研究発表・プログラミング・立体造形など、学生たちのさまざまな自信作が並べられた。また、4年制大学の作品群(約160点)から「WEB・グラフィック・立体造形 部門」(5点)、「CG・映像・ゲーム 部門」(5点)、「ビジネス研究・論文 部門」(4点)のそれぞれ優秀作品が選抜された。部門ごとの優秀作品は以下の通り。

WEB・グラフィック・立体造形

Typographics×art
作者:篠原嘉代

3PR.PROJECT
作者:佃宏敏

SakuraSaku
作者:本田裕実子

目で見る体感する飛び出す絵本
作者:金澤美芽

Load Piper Pistachio's Wunderkammer - ピスタチオ卿の不思議の部屋 -
作者:野島朋

CG・映像・ゲーム

ヒメクリ
作者:鏑木あゆみ

ANSWER
作者:栗林裕紀

しかくとさんかく
作者:蒔田浩紀

Invincible
作者:大島ダヴィット

クリープ
作者:金井弘樹・津嘉山竜太・永峯万里子・萩田祐太郎・藤田花梨・古山岬・大和信知

ビジネス研究・論文

三軒茶屋映画祭
作者:大野恵理

脱デジタルハリウッド大学 デジタルハリウッド大学白書
作者:石山貴広・並木未来子・横山兼人

メタバースにおける株情報のビジュアライゼーション
作者:松浦愛弓

学問の歴史的考察から探るデジタルコミュニケーション論
作者:古賀敢人

また、本展示会内で開催された4年制大学の優秀作品発表会では、各部門の最優秀作品を発表。その結果、WEB・グラフィック・立体造形部門は佃宏敏さんの作品「3PR.PROJECT」、CG・映像・ゲーム部門は金井弘樹さんらの作品「クリープ」、ビジネス研究・論文部門は松浦愛弓さんの作品「メタバースにおける株情報のビジュアライゼーション」がそれぞれ選ばれた。

デジタルハリウッド大学最優秀作品紹介

作品名 内容説明
3PR.PROJECT 音楽レーベル会社を設立し、いちアーティストがファーストアルバムをリリースするまでに必要となるクリエイティブワークとは何かを考察し、想定される制作物、ロゴ・名刺・WEBサイト、グラフィックなどをプロセスに沿って制作・表現した集合体
メタバースにおける株情報のビジュアライゼーション セカンドライフ内でWEB上からリアルタイムで取得した日経225銘柄の株情報を、「かぶ畑」(菜園)として可視化させた作品。ソートや検索もビジュアル的に表示され、メタバース内での可視性の検証を行ったもの
クリープ 製作期間3年、上映時間100分、すでに約300人の人が観覧したという実写映画。現実逃避を続ける2人の人間が恋愛を通して成長する物語を描いている

学校長の杉山知之氏は同イベントの総評として「今回は論文なども内容かなり良くなり、先生方のそれぞれの分野を発揮していただいた。また、今年はすごくバラエティに富んだ卒業制作展となった。我々は期限を設けてそれぞれの作品を審査してきたが、その期限を終えてからも、イベント開催日ギリギリまでブラッシュアップさせた作品まで出てきて、その中にも優秀賞に値するすばらしいものもあった。そういう意味で、見ごたえのある多彩な展覧会になったと思う」とコメントした。

デジタルハリウッド大学の受賞者一同

なお、こうしたデジハリ生たちの優れた作品は、4月4日に開催される「DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2010」(2009年度 優秀作品発表会)でもう一度見ることができる。同イベントは、専門スクール・4年制大学・大学院・オンラインスクールというデジタルハリウッドすべての教育機関の2009年度のアウトプット(CG・映像・Web・グラフィックなどのクリエイティブ作品約1000点)より、今年度のグランプリが発表される。同校の年間計画のなかでも最大級のイベントになるというので、ぜひこの機会に次世代のクリエイターのタマゴたちの逸品を見に、足を運んでみてほしい。