OS基本性能から、仮想化環境まで、多岐にわたり機能改善が行われている「Windows Server 2008 R2」。すでにリリースから5カ月以上が経過しており、簡単な紹介記事も数多く出回っているが、同サーバが本当に使えるものなのか確信が持てずに周囲の 反応を見守っているシステム管理者は多いはずだ。

そこで、本誌はWindows Server 2008 R2の導入を5人のライターに依頼。その模様を体験記というかたちでレポートしてもらっている。

今回は、中山一弘氏によるファイルサーバ構築の続編。前回構築したファイルサーバに対して運用を行うための各種設定を始めている。Windows Server 2008 R2の真骨頂とも言える"行き届いた管理機能"が丁寧に紹介されているので、参考にしてほしい。

ファイルサーバを健康的に維持する

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前回の記事では、もっともシンプルなファイルサーバを構築した。そのまま利用し続けても良いが、「運用」という観点から見れば、ほったらかしは当然NG。例えば、サーバを利用しているユーザーにヘビーな使い方をする者とそうでない者もいる。そうした簡単な理由からくる不平を無くすためにも、有限のリソースは有効活用するにこしたことはないのだ。

では、実際にどのようにファイサーバを効率的に運用できるのか? 実は、Windows Server 2008 R2にはサーバ管理の負担を最小限におさえられる大変便利なツール「ファイルサーバーリソースマネージャー(以下、FSRM)」というものが実装できるようになっている。ここでは、FSRMの主な機能を紹介していこう。

「ファイルサーバーリソースマネージャー」を役割サービスとして追加

前回の記事で、役割としてファイルサーバを追加したのを覚えているだろうか。その際に、役割サービスのチェック項目にこのFSRMもしっかりと名を連ねている。もちろん、最初からこの機能を追加しておいてもよいが、今回は便宜上、後から追加する方法をとらせていただいた。

では、ファイルサーバにFSRMを追加することからはじめよう。まずは、タスクバーからサーバーマネージャーを起動し、「役割」をクリックして現在のサーバの役割を確認する。画面の中ほどにある「役割サービス」の項目に「役割サービスの追加」があるので、リンクをクリックしてほしい。

サーバーマネージャーを起動し、「役割サービス」から「役割サービスの追加」をクリック

「役割サービスの選択」ウィザードが起動したら、リストにある「ファイルサーバーリソースマネージャー」にチェックを入れ「次へ」をクリックする。

リストから「ファイルサーバーリソースマネージャー」にチェックを入れる

次の画面で、「記憶域使用率の監視の構成」を設定する。今回は共有フォルダを作成した「ボリューム(D:)」にチェックを入れて「次へ」を押す。

「記憶域使用率の監視の構成」では、共有フォルダを格納するボリュームにチェックを入れる

レポートを格納する場所を聞かれるが、これは後から設定し直せるので、とりあえずはデフォルトの場所のままでも良い。「次へ」をクリックして先に進もう。

レポートを格納するディレクトリ、またはメールを設定する

「インストールオプションの確認」で内容を確認したら、「インストール」ボタンをクリックする。しばらくしてインストール作業が完了すると成功を知らせる画面が表示されるので、「閉じる」ボタンを押せば役割サービスにFSRMのインストールは完了だ。

内容を確認したら「インストール」ボタンをクリック

しばらくしてインストール作業が正常に完了したら「閉じる」ボタンを押して画面を終わらせる

サーバーマネージャーの役割サービスの中にある「ファイルサーバーリソースマネージャー」の状態が「インストール済み」になっていることを確認しよう

これで、ファイルサービスに役割サービスであるFSRMがインストールされた。スタートメニューを開き、メニューの「管理ツール」から「ファイルサーバーリソースマネージャー」を起動してみよう。

FSRMの起動にはいくつかの方法があるが、メニューの管理ツール内にもリンクがある

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FSRMでは、大きく分けてリソースのクォータを管理する「クォータの管理」、フォルダへ格納するファイルをフィルタリングする「ファイルスクリーンの管理」、各種レポートを作成する「記憶域レポートの管理」などが実装されている。ほかにもたくさんの管理機能があるが、いくつか代表的な機能を紹介していこう。

これがFSRM。「クォータの管理」や「ファイルスクリーンの管理」「記憶域のレポートの管理」などが実装されている