2010年の1月24日に発表されたLet'snote R CF-R9J(以下CF-R9J)は、約930gの超軽量ボディに約7.5時間の長時間バッテリ駆動とモバイルノートとしての完成度の高さに加え、CPUに超低電圧版のCore i7 i7-620UM(1.06GHz)を搭載と高性能も実現しているのが最大の魅力だ。まずは軽さだが、「Let'snote R」シリーズに共通していることではあるが、持った瞬間に"本物か?"と違和感を感じてしまうほど。これはボディの素材に軽くて頑丈なマグネシウム合金と薄型の液晶を採用しているため。さらに、ACアダプターも手のひらサイズで重さも約155gと持ち運びしやすい。

さらに、一般的な机の高さと同じ76cmの落下試験や、通勤ラッシュを想定した100kgf加圧振動試験の実施、水に強い全面防滴のキーボードなど日常のトラブルにも対応できる頑丈ボディも実現している。このあたりは引き継がれている特徴なのでご存じの人も多いだろう。ここが「Let'snote R」シリーズが多くのモバイラーに愛されている魅力といえる。

CF-R9Jでは、そこに高性能が加わったのが最大の変化であり、魅力だ。超低電圧版のIntel Core i7 i7-620UMは、デュアルコアで実クロックは1.06GHzと驚くスペックではないが、自動クロックアップ機能である「Turbo Boost」を備えており、最大2.13GHzで動作する。これにより、前モデル(1.6GHzのCore 2 Duo搭載)よりもおよそ1.4倍の処理速度を実現。実際にWindows 7をちょっと操作しただけでも、キビキビと動き、その速さをハッキリと体感できるほどだ。なお、ハイパー・スレッディングにも対応しており、OS上からは4コアと認識する。

Windows 7のエクスペリエンスインデックス。グラフィックス以外は、かなり高い数値を記録している(量産試作機での数値)

ソフト名 項目 数値(量産試作機での数値)
■PCMark05 PCMark 3890
CPU 4535
Memory 4585
Graphics 1903
HDD 4323

さらに、CPUにはGPUも内蔵しており、Turbo BoostはそのGPUにも有効だ。CPUの処理に余裕があるときは、GPUの性能を自動的にアップさせる。処理内容に合わせて、コアを自動的に最適な駆動状態してくれるのだ。とはいえ、GPUはいわゆるチップセット内蔵のグラフィック機能と同レベルで性能はそれほど高くない。モバイルノートで3Dゲームをプレイする人は少ないだろうが、それほど動作が重くないMMORPG程度なら遊べると考えておいたほうがいいだろう。PCMark05のベンチマーク結果を掲載するので、性能の目安にしてほしい。これは、Atom搭載のネットブックと比べて2倍以上、Core 2 Duo SU2300搭載するCULVノートと比べても2割以上も高いスコアだ。

また、性能向上で放熱も気になるところだが、薄型軽量の新ファンを効率のいい位置に配置し、従来のモデルから排気口のサイズを変えずに3倍の風量を達成したという。このため、Core i7を搭載しながら、従来からの魅力である高い静音性も確保されている。