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米Appleが27日(現地時間)に予定しているスペシャルイベントにおいて、現在米国でのiPhone独占提供キャリアである米AT&Tが独占契約を破棄するのではという噂が広がっている。一方で、AT&Tは独占契約終了後を視野に入れてAndroidを含む他の端末メーカーとの交渉を進めており、初代iPhoneリリースから2年半を経た両社の関係に終止符が打たれる日も近いようだ。
同件を報じているHot Hardwareによれば、米AT&T内部からの話で同社が間もなくAppleとのiPhone独占提供契約を破棄する見込みだという。2010年に両社の間でiPhoneの独占提供契約が期限切れを迎えることは以前より知られているが、人気端末の独占供給という強力なアドバンテージを手放したくないAT&Tは契約更新に熱心だったと言われている。
だが、iPhoneの利用者増加が同社のネットワークの帯域を圧迫し、ニューヨークやサンフランシスコなど一部地域を中心に慢性的なトラブルを抱えていることが最近になりたびたび報告されている。ライバルのVerizon Wirelessにも広告キャンペーンを介して揶揄されるなど、回線品質の低下が同社のイメージに大きな悪影響を与え始めており、もはやトラブルの元を後生大事に抱え続けるのは難しいと経営陣が判断した可能性がある。
ただしAT&Tも、ただでiPhoneを手放すことはせず、来たるべき日に備えて端末ラインナップ拡充を始めている。Apple Insiderによれば、AT&Tは2010年前半に5つのAndroid端末リリースを計画しているほか、Palm webOSベースの2つの端末、そしてスマートフォン以外を対象にしたモバイルアプリプラットフォームの準備を進めているという。
一方で、独占契約を外れた米国のiPhoneは、最初にどのキャリアから発売されることになるのだろうか。CDMA系ネットワークを抱える最大手の米Verizon WirelessとAppleとの交渉の噂はたびたび伝えられているが、価格面で交渉に苦戦している話のほか、CDMA系端末の準備が進んでいないという話が伝わっている。
AT&Tと同じGSM系列のネットワークを持つT-Mobileは有力候補の1つだが、T-Mobileの持つ1700MHzという3G用の帯域は現在販売されているiPhoneとは互換性がなく、そのままでは利用できない。Nexus OneなどのT-Mobile用の端末がAT&Tの3Gネットワークで利用できないのと同じ理由だ。