NTTドコモは8日、700MHzから2.5GHzまでの8つの周波数帯に対応したマルチバンド電力増幅器の試作機を開発したと発表した。同装置が実用化されれば、携帯電話を大型化させることなく複数の周波数帯に対応させることができるという。

同装置は、LTE、W-CDMA、GSMなど国内外の複数の移動通信システムに対応させるために開発された。これまで、1台の携帯電話機で複数の周波数帯に対応させるためには、それぞれの周波数帯に対応するシングルバンドの電力増幅器を複数搭載する必要があった。そこで同装置では、電力増幅器の各整合回路内に複数の半導体スイッチを設け、使用する周波数帯に応じて周波数特性を切り替えられる構成を採用。現行のシングルバンド電力増幅器と同等の出力電力および利得を実現したうえで、1つの電力増幅器で8つの周波数帯に対応したとしている。

マルチバンド電力増幅器(試作機)の外観。「初段、中間段、最終段と3つの段階で電力増幅を行うことで、入力信号の約1,000倍の電力の信号が出力される」(同社)

同装置に搭載された技術の詳細は、1月11日午前10時30分(日本時間1月12日午前1時30分)より米国ルイジアナ州ニューオリンズで開催される「2010 IEEE Radio and Wireless Symposium」で発表される予定。