帝国データバンクは12月17日、2009年の上場廃止企業の実態調査結果を発表した。同発表によると、2009年の上場廃止企業は163社に上り、戦後最多を記録する見通しだという。2005年から2009年までの上場廃止企業の合計数は609社となった。市場別では、「東証1部」の208社が最高で、以下「ジャスダック」の177社、「東証2部」の89社が続く。

上場廃止企業 社数推移 資料:帝国データバンク

上場廃止理由は「完全子会社化」が369社と最多となり、「株式の全部取得」の100社と続く。2008年以降は、上場企業倒産の増加に伴って「経営破綻」が急増し、5年間の合計では76社に上った。

また2009年の市場別上場廃止理由では、「完全子会社」が64社と最多で、「株式の全部取得」が50社が次に続いた。同社では、こうした事業再編を目的とする上場廃止が最も多かったことが2009年の上場廃止企業の特色と分析している。

近年、上場廃止後の企業倒産が増加傾向にあり、2009年に入って6件と急増している。2006年以降、上場廃止後に倒産した主な企業の上場廃止理由は「虚偽記載」が4社、「債務超過」が3社、「監査意見不表明」2社だった。市場別では、「ジャスダック」が2社、「東証マザーズ」「東証2部」「大証ヘラクレス」が各2社、「東証1部」「大証2部」が各1社だった。

2009年の主な上場廃止企業 資料:帝国データバンク