去る9月11日に、長らく策定中だった無線LAN規格「IEEE802.11n(以下、11n)」が米国電気電子学会(IEEE)によって正式に承認された。それにともない、NECアクセステクニカはAtermシリーズの11n正式対応を発表。もちろん、AtermWR8300Nは出荷時より11nに正式対応している。

11nのメリットは、理論値で最大300Mbpsという高速通信が可能な点にある。例えば802.11gの場合は54Mbpsが限界となっていたが、11nの場合は複数のアンテナを組み合わせてデータ転送の帯域を拡張するMIMO(Multiple Input Multiple Output)と呼ばれる技術を採用しているため、そうした制限を超えたスピードで通信できる。光回線を利用する場合でも無線LANの通信の遅さがボトルネックにならないですむのは非常にありがたい。AtermWR8300Nの場合、親機が設置した場所から離れていても無線速度が落ちにくい「ロングレンジ設計」のため、隣の部屋や上の階などでも高速通信が可能。実際に使用してみたところ、間に壁のある10mほど離れた場所でも安定して100Mbps程度の速度が出ていた。

加えて、AtermWR8300Nの場合は有線LANに1000BASE-Tを採用しているのも大きな特徴。有線の場合の実効スループットも700Mbps以上と高く、LAN内通信は非常に速い。実際にデスクトップPCとNASをAtermWR8300NのLANポートにケーブル接続して使ってみたが、ファイルのコピーが本当にあっという間に終わってしまう。自宅にホームサーバを設置して動画のようなデジタルコンテンツをTVなどで楽しんでいる人もいると思うが、そうした用途には最適だ。

本体背面には、WAN×1ポート、LAN×4ポート搭載されている

親機にLANケーブルを接続したところ。LANはすべて1000BASE-Tに対応しており、非常に高速な通信が可能だ

タスクトレイに常駐する「サテライトマネージャアイコン」。電波の状態は4段階に分けて表示される