コカ・コーラに対する印象

そこで今回、仙台のみならずまさに"日本代表"として、世界的なキャンペーンに参加することになった彼らに、日本の代表として選ばれた感想や、実際に「ハピネスファクトリー3」のCMテーマソングとしてオリジナルで書き下ろした「Open Happiness」の楽曲制作について話を訊いた。

「まず、びっくりしました(笑)。僕は、いつもコカ・コーラには、"記念"とか"ご褒美"っぽいイメージがあって、飲むだけで嬉しくなる(欲しいものすべて)が詰まってるものだと思ってたんです。そんな折、突然『日本オリジナルのCMソングを作ってほしい』なんて話がくるとは思わなくて(笑)。偶然にも、メンバーであるtax(Dr)の父がコカ・コーラのボトラーで働いていてね。taxから『小さい頃は飲ませてもらえなかった。だけど、それは実は初めてコカ・コーラを飲む時の喜ぶ表情を親が見たくて、物心つくまで待たせていたからなんだ』なんて想い出も聞いていたし。だから、とても光栄でした。しかも、実際の制作作業に入ってみても、僕が抱いていた"コカ・コーラはクリエイティブな企業"という印象がそのまま変わらない。今回はキャンペーンのベースとなるコンセプトをコカ・コーラのクリエイティブ担当の方に直に教えてもらうところから進めさせてもらえたんですよ」(Maynard)

コカ・コーラからの要望は、世界共通のテーマである「Open Happiness」という考えを活かしつつ、日本のオリジナリティを表現すること。だが、それは考え方だけでなく具体的な音づくりにも関わってくる。初めての経験で、かなりいろいろな苦労があったのでは?

「いや、特にはなかったですね。例えば、5音のノート(※彼らの新曲「Open Happiness」の冒頭ならびに最後にも流れる5つの音階)は、コカ・コーラが現在TV-CMなどで使用している世界共通のフレーズで、要するに定型みたいなもの。僕らの曲とはキーが微妙に違うんだけど、それも少しの調整で自然になじみましたし。だからどんな曲でも馴染むようなあの音なのかもしれないね、どの国でも通じるマジカルな言葉という感じでしたね」(Maynard)

自分たちのつくる音が、世界を繋ぐコミュニケーションツールのひとつになる。そんなことを考えながら、バンドならではの色も混ぜるべく、いくつかのアプローチを施していったという。

「ベースは琴の音、そこに三味線と女性の口笛を重ねました。琴や三味線などの和楽器の音は微妙な"揺れ感"があるので、口笛の揺らぎに合うんですよ。日本らしさはもちろん、普段の曲にもこういう和楽器を使ってるから、その意味では僕ららしさが出せたんじゃないかな。因みに口笛はうちのマネージャーに吹いてもらって入れました(笑)」(Maynard)