講演後には、マイクロソフト日本法人の執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏が聞き役となり、バルマーCEOとのトークセッションを展開。デベロッパーから寄せられた質問に対してパルマーCEOが回答した。

マイクロソフト日本法人の執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏(左写真)が聞き役となり、バルマーCEOとのトークセッションを展開

「開発者にとってWindowsプラットフォームの優位性は何か」との質問に対しては、「10億人以上が利用するなど、広範に普及しているプラットフォームである。開発した製品を多くのユーザーにリーチしたいというのであればWindowsが最適である。また、デスクトップPC、ノートPCだけでなく、ゲームやエンジニアリングワークステーション、サーバー、TV視聴が可能な一体型PC、携帯電話や数多くの周辺機器、そしてクラウドでも活用できるのがWindows。また、開発者のためのツールが揃っており、他のアプリケーション同士の連携も可能」などとした。

また、「今後の進化の中でUX(ユーザー エクスペリエンス)やRIAテクノロジーはどう変わるか」という質問に対しては、「将来は、スマートクラウド+シンクライアントなのか、リッチクラウド+リッチクライアントなのかという議論があるが、私は後者だと思っている。ユーザーは最高のインタフェースを求めており、またアプリケーションの構築にはリッチな処理能力が必要である。アップルのiPhoneはリッチクライアントだからこそ、支持されている。だがリッチクライアントの課題は、もっとシンプル化し、ユーザーに負担をかけない環境を作らなくてはならないということだ。アプリケーションをインストールするという意識を持たなくてもプログラムが降りてくるというように、ユーザーが関与しなくても使える環境が必要」などとした。

クラウドに対するマイクロソフトの真剣さ

一方、「クラウドに対するマイクロソフトの真剣さを教えてほしい」という質問に対しては、「なぜ、こんなことを聞かれるかわからない」と発言。「クラウドはマイクロソフトやIT産業にとっての未来であり、その未来に対して、マイクロソフトはコミットしている。しかも、これはクラウドのビジネスにコミットしたものではなく、リーダーシップについてコミットしたものである。ビジネスモデルが違う、運用モデルが違うといわれるが、大きなビジネスを作り上げることに取り組んでいく。誰よりもクラウドに対して突進しているのがマイクロソフトである。VMWareやグーグル、アマゾン、IBMよりも突進している。Windows Liveは、クラウドの世界で最も広く使われているサービスであり、これからはBingやAzureといったサービスもある。クラウドに対して100%コミットすることを、ここでコミットする」と語った。