日商エレクトロニクスおよび日本サムスンは、冷暖房空調機器内蔵の屋外設置全天候型のデジタルサイネージ2製品を発表した。発表したのは、46型液晶で、1500カンデラの「NOB-4601T」と「NOS-4601S」。設置場所により外形寸法やディスプレイの位置が異なるものの本体自体は同一となる。

サムスン電子のディスプレイを利用し、設計・製造は日商エレクトロニクスが行っている。

今回発表された冷暖房空調機器内蔵の46型屋外設置全天候型のデジタルサイネージ製品

「NOB-4601T」と「NOS-4601S」

日商エレクトロニクス代表取締役社長 大橋文雄氏

日商エレクトロニクスは今年の7月、日本サムスンとデジタルサイネージ市場製品の国内代理店契約を締結しており、超高解像度表示・インタラクティブ大画面マルチディスプレイシステムの販売を行っている。そして、日商エレクトロニクスのグループ会社であるNGCがシステムソリューション販売および技術サポートを行っている。

日商エレクトロニクス代表取締役社長 大橋文雄氏によれば、これまで80台を納入しており、今年度は300台を販売する予定だという。

大橋氏は「デジタルサイネージはこれまで屋内の展開が中心たったが、今回発表した製品により、屋外での情報発信が可能となり、集客効果、プロモーションにおいて、従来製品と大きな差別化ができる。今後は屋外がデジタルサイネージ事業の大きなポイントになる。今後はサムスンさんと一緒に屋外のデジタルサイネージをどんどん広げていきたい」と述べた。

サムスン電子 Visual Display事業部 Asia Pacific担当部長 キム・ジュイル氏

サムスン電子 Visual Display事業部 Asia Pacific担当部長 キム・ジュイル氏は、「デジタルサイネージは、サムスン電子の中核事業で力を入れており、ユーザーの幅広いニーズに応えていくため、ハードだけでなくソフトに対しても積極的な投資を行っている。日本市場ではパートナー企業との協力が重要だと考えている。韓国では、10月からトヨタが進出し、非常に人気で納入までに3-4か月かかっている状況だ。われわれも得意のSCM(サプライチェーン マネージメント)技術を使って、日本で3-4カ月待ちとなるような受注を獲得したい」と述べた。

今回発表された製品は、すでに大手コンビエンスストア9か所で導入を前提とした実証実験を行っているという。

コンビニでの実証実験

日本サムスン DMC事業部 部長 宮田隆氏

日本サムスン DMC事業部 部長 宮田隆氏によれば、業務用の液晶のデジタルサイネージの市場規模は、昨年が4万台、今年が5万台程度だという。そして、市場を大きくしていくには屋内から屋外に出ていくことが重要で、宮田氏は、屋外化のデジタルサイネージのポイントとして大型化と高輝度化を挙げた。

また、今回、日商エレクトロニクスとアビックスとの資本・業務提携も発表された。 アビックスは屋外の大型のデジタルサイネージを手がける会社。日商エレクトロニクスがアビックスの第3社割り当て増資を引き受け、2万754株(1億1000万円)を取得する。これにより、日商エレクトロニクスはアビックスの10.6%の株式を保有し、第2位の株主になる。

そして両社は、デジタルサイネージ事業におけるワンストップソリューションを共同展開し、主に、飲食業界、外食産業、小売業界、コンビニエンスストア業界、スーパーマーケット業界をターゲットとし、2011年度に売上約30億円の事業創出を目指すという。

日商エレクトロニクスとアビックスがターゲットする市場。アビックスの代表取締役社長 熊崎友久氏によれば、映像やイメージは右脳に訴求し、文字は左脳の訴求するため、機能や価格の説明は文字のほうが効果的だという