CotEditor最大の特徴は、AppleScriptとシェルスクリプトによる機能拡張だ。こちらについては後述するとして、まずはスクリプト対応以外の機能から紹介してみよう。

最初は「シンタックス設定」。環境設定パネルの「シンタックス」タブを開き、最下部の「シンタックススタイル」から[スタイルを選択...]バーを操作すると、C/C++/Objective-CやHTML、Java、LaTeXなど、十数種類の言語にあわせてシンタックススタイルを選択できる。ファイルを開くときには、拡張子から判断し自動的にシンタックススタイルを割り当てることができるほか、既存のシンタックスファイルをコピーし、独自のカスタマイズを加えることもできる。

HTML(左)やJavaScript(右)など主要な言語/テキストフォーマットについては、シンタックスハイライトやアウトラインの設定があらかじめ用意されている

情報ドロワーを見れば、文字数や行数などの情報もすばやく確認できる

このシンタックスによる色分けが有効なファイルモードでは、アウトライン機能(章や節などの階層や見出し/タグで文章を管理する機能)を利用できる。HTMLならばH1~H6やscript、tableなどのタグで、LaTeXならばchapterやsectionなどのコマンドで自動的に階層を判定し、ツールバー下に配置されたナビゲーションバーから選択できるのだ。このアウトライン機能についても、アウトラインメニュー設定画面で正規表現を用いることにより、カスタマイズできるようになっている。

画面横のドロワーにも注目したい。ツールバー右横の[情報を見る]ボタンをクリックすると出現し、メニューで「書類情報」を選べばクリエータやタイプ、作成/変更日時のほか、エンコーディング形式や行数、文字数など、開いているファイルに関する詳細な情報を確認できる。行数と文字数はカーソル位置を基準に測ることができるため、文章の分量を知りたいときに便利だ。メニューで「非互換文字」を選択すると、文字セットの異なるエンコーディング形式に変換したときの不都合を事前に知ることもできる。

RubyやPerlで記述したスクリプトで拡張可能

CotEditorは、各種スクリプトを利用した機能拡張に対応している。登録可能なスクリプトは、AppleScriptのほか、Perl(.pl)、シェルスクリプト(.sh)、PHP(.php)、Ruby(.rb)、そしてPython(.py)の計6種類。パーミッションを755に設定する、スクリプト内の改行コードはLFで統一する、出力結果のエンコーディング形式はUTF-8となるなどいくつかの約束事を了解すれば、それら言語で記述されたスクリプトを編集支援に利用できるのだ。

スクリプトファイルを所定のディレクトリへコピーすれば、このようにメニューバーに現れる

使い方はシンプルそのもの。利用したいスクリプトを所定のディレクトリ(~/Library/Application Support/CotEditor/ScriptMenu。メニューバーの[スクリプトメニュー] - [スクリプトフォルダを開く]で開ける)へコピー、その後[スクリプトメニュー] - [スクリプトメニューを更新]を選択すればOKだ。

スクリプトの記述方法は、付属のドキュメント(AboutShellScript-jp.rtf、AboutAppleScript-jp.rtf)に概要が記されている。サンプルもいくつか収録されているので、目を通しておこう。開発者のWebサイトに掲載された「CotEditor Scripts (スクリプトリンク)」から、ユーザ有志が作成したスクリプトを入手できるので、あわせて参考にしてほしい。

付属のスクリプト「全角カタカナを半角カタカナへ.php」。これだけの記述で、全角カナ→半角カナの機能を提供する