ITU Telecom World 2009では、メーカーなどの企業ブース以外にも、発展途上国を中心に各国のブースが多数並んでいた。特に普段あまり聞きなれない国や、海外の展示会では見慣れない国がブースずらりと勢ぞろいするさまは壮観だ。

前回(2006年)、前々回(2003年)と比較して今回のTelecom World 2009は出展企業・参加国が減少しており、”国際的な通信関連イベント”としての位置づけも回を重ねるごとに変化しているようだ。特に今回のイベントでは先進国と発展途上国のデジタルデバイス解消が一つの大きなテーマであり、製品展示ではなく商談の場として出展を行う企業も多かったようだ。例えば海外の通信関連展示会では毎回最新技術を展示する中国のHuaweiも、今回は製品の展示は一切無くブースは商談の場として提供されていた。

このほか同展示会では、発展途上国がブースを設置し、官民上げて海外からの投資を訴える姿が目立っていた。アフリカ大陸の国のブースなどは普段はなかなか見ることはできず、各国の国旗が並ぶ様はITUが国連の関連機関であることを改めて思い知らされた。国によっては農産物の展示や民族音楽の演奏を行うなどユニークなブースも見かけられた。

成長著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や中東などの国々も出店しており、世界各国のブースを眺めていると、通信関係というよりも国際関係の展示会に来ているような印象を受けた。各国のユニークなブースを紹介しよう。

通常の通信関係展示会では見慣れない国のブースが多い

政府が投資を訴えるガーナのブース

商談スペースを現地風にしたルワンダ

地元企業が多数出展するタンザニアブース

タンザニアはコーヒーなど農産物も展示

大自然とITの調和をイメージしたウガンダブース

巨大な国旗で国をアピールするブルンディ

アフリカのITハブを目指すケニアブース

アフリカ大陸内陸の小国、マラウィブース

旧ポルトガル植民地はポルトガル語が通じる国であることをアピール

こちらはアフリカからは離れるがアゼルバイジャンのブース

アゼルバイジャンの民族音楽CDの展示も行われていた

Egypt ON、をキャッチフレーズにするエジプトブース

エジプトより巨大なロシアブースは写真に収めるのが困難なほど

国内企業の海外売込みが中心のイスラエルブース

イランブースもITC関連企業が出展していた

今回最大規模のブースはサウジアラビア。産油国はやはり強いのだろう。メーカーとして最大のZTEブースよりもさらに広い

サウジアラビアは3キャリアが出展するほか、商談ブース、休憩ブースなど。サウジアラビアの飲み物なども振舞われていた

最も充実していたのがマレーシアブース。3GサービスやWiMAX、そして投資コーナーに民族音楽と常に賑わっていた

インドパビリオンは事業者などが出展。12月開催の展示会「India Telecom 2009」の案内も行っていた